高齢者に起こりやすい不整脈。その症状と危険性、予防法をご紹介します!
走ったり激しい運動をすると、ドクドクと脈が早くなります。もちろん、運動後に脈が早くなることは問題ありませんが安静時に長く続くようであれば不整脈かもしれません。
今回はそんな不整脈についてご紹介いたします。
1.不整脈とは
私たちの心臓は、通常1分間に50~100回規則正しく脈拍を打ちます。脈拍は年齢に減少し、65歳以上の高齢者の場合、正常脈拍範囲は60~80回/分といわれています。
この規則正しい脈拍のリズムが乱れることを「不整脈」と呼びます。不整脈は脈が遅くなる「除脈」、早くなる「頻脈」、脈が飛んだように感じる「期外収縮」の3つに大きく分けられます。「除脈」は脈拍が1分間に60回以下、「頻脈」は脈拍が100回以上の場合とされています。
2.症状
不整脈の症状は様々ですが、症状に気づかないケースが多くあります。わかりやすい症状としては動悸、脈が抜ける、息切れ、だるさ、疲れが挙げられます。
健康な方でも、年を重ねると多くの方が不整脈になります。一時的に脈が抜けたり(期外収縮)、安静時にどくどくと感じる症状の場合、日常生活に支障をきたすようでなければ特に問題はありません。
※ただし、症状だけで不整脈の診断はできませんので、心電図検査を受けておく必要があります。
激しい息切れを起こし、身体を動かすのがつらいといった場合は、心不全の可能性がありますのですぐに受診する必要があります。他にもめまいや失神、気が遠くなる、胸の痛みが長く続く場合は、心臓疾患の可能性がありますので、必ず病院で診てもらいましょう。
3.高齢者が気をつけたい不整脈「心房細動」
高齢者が注意しなければならないのが「心房細動」と呼ばれる不整脈です。心房細動は、心房が興奮し痙攣している状態になり、脈拍が400~600回/分と非常に早くなります。
心房細動自体は命に関わるような危険な不整脈ではありません。しかし、心房細動が続くことにより血流のスピードが低下し、血栓が出来やすくなります。この心房で出来た血栓が、血流に乗り脳の血管を詰まらせてしまうことで「脳梗塞」を引き起こしてしまうのです。つまり、心房細動の方は脳梗塞を起こす危険性が高まるのです。
脳梗塞を発症すると命を落とす危険はもちろん、命が助かったとしても約半数の人が後遺症により寝たきりや要介護状態になるといわれています。たかが、不整脈といって甘く見るのではなく、脳梗塞のリスクが高まることをしっかり理解し、治療や予防に努めることが極めて重要です。
4.原因
不整脈の原因として下記が挙げられます。
遺伝により不整脈が起こることがあります。この場合、家族内で同じような心電図が見られます。
処方箋や市販薬の副作用として、不整脈が起こります。薬を飲むのをやめるとピタッと止まるので、危険性は高くありません。気になるようであれば、主治医や薬剤師に相談しましょう。
歳を重ねると身体機能が低下していきます。心臓も例外ではありません。年齢と共に不整脈の方は増加し、80歳を超えると10人に1人の方が不整脈といわれています。
飲酒、喫煙、カフェインの摂りすぎ、睡眠不足なども原因となります。
交感神経は、心臓のリズムコントロールに大きく関わっています。この交感神経は、ストレスの影響を受けやすいため、それに伴い脈拍のリズムが乱れてしまうといわれています。
狭心症、心筋梗塞などの心臓病や高血圧、甲状腺異常がある方も不整脈になりやすいといわれています。
4.予防
ここでは、不整脈の予防方法についてご紹介いたします。
動悸や息切れなどの症状で気づく方もいらっしゃいますが、症状が出ないケースもあります。定期的に受けている健康診断で、不整脈が判明することも多々あります。
不整脈という診断が出れば、早いうちに食事や生活習慣など改善することができます。大切なのは自分の状態を良く知り、対策を行うことです。気になる症状がなくても、定期的な健康診断は受けるようにしましょう。
適度な運動したり、お休みにはしっかりリラックスするようにしましょう。
アルコールを摂取した翌朝、息苦しくて目覚めるという方もいらっしゃいます。ほどほどに飲むようにしましょう。
高血圧の方は、不整脈を起こしやすいといわれています。すでに高血圧と診断されている方は、適切な治療を行うようにしましょう。
高血圧と同じく、糖尿病の方も不整脈を起こしやすいといわれています。食生活の改善や適度な運動を行い、糖尿病の予防に努めましょう。
高血圧や糖尿病の方は、不整脈を起こしやすい上に血栓が出来やすいため、脳梗塞発症のリスクもかなり高くなります。すでに高血圧、糖尿病の診断が出ている方は治療をしっかり行うことと脳梗塞の予防にも努めましょう。
5.まとめ
■ 不整脈は、規則正しい脈拍のリズムが乱れている状態。
■ 脈が早くなる「頻脈」遅くなる「徐脈」脈が抜けたように感じる「期外収縮」の3つに分けられる。
■ 激しい息切れ、めまい、失神などの症状が出る場合は、すぐに診察を受ける必要がある。
■ 心房細動の方は、血栓ができやすくなるため脳梗塞の予防をしっかり行う。
いかがでしたか?不整脈は、誰でも加齢と共に起こりやすくなります。ほとんどが、特に心配する必要のない不整脈ですが、中には危険性の高い不整脈もあります。
危険のない不整脈なのか、心臓疾患はないのかなど判断するためにも、気になる症状が現れたらまずは受診をしましょう。また、定期的な健康診断も怠らないようにしましょう。
筆者 レイス治療院
あん摩マッサージ指圧師の国家資格を持つ施術師が400名以上在籍し、2003年より訪問マッサージを通じて地域社会に貢献している。
ご利用者様の健康を管理するために、技術面ではリハビリを取り入れたマッサージを行い、医療・介護業界での経験をもとにしたお悩み相談、医学的観点からアドバイスを行っている。
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