介護が必要な親の散髪をしてくれる訪問(出張)理美容とは?誰でも利用できるの?
1.訪問理美容とは
訪問理美容は寝たきり・歩行困難・認知症などで理容室・美容室に行って散髪することが難しい人向けのサービスです。自宅まで理美容師が訪問して散髪や髪染め、シャンプーなどを行ってくれます。まだまだ知られていませんが、介護が必要な高齢者とその家族が利用するためのサービスとして広まりつつあります。
2.訪問理美容が利用できる方
衛生上の理由で、理美容室以外で髪を切ってお金を貰うことは基本的に禁じられています。(理容師法6条の2、美容師法7条)ただし、次のような方は理容室・美容室に行くことが難しいため訪問理美容が認められています。
(1) 疾病の状態にある場合のほか、骨折、認知症、障害、寝たきり等の要介護状態にある者であって、その状態の程度や生活環境に鑑み、社会通念上、理容所又は美容所に来ることが困難であると認められるもの
(2) 自宅等において、常時、家族である乳幼児の育児又は重度の要介護状態にある高齢者等の介護を行っている者であって、その他の家族の援助や行政等による育児又は介護サービスを利用することが困難であり、仮に、自宅等に育児又は介護を受けている家族を残して理容所又は美容所に行った場合には、当該家族の安全性を確保することが困難になると認められるもの
簡単にまとめると、ケガや病気で理美容室に行くのが困難な人、または家族の介護や育児などで家を離れると家族の安全が保てなくなる人であれば訪問理美容が利用できます。
厚生労働省 理容師法施行令第4条第1号及び美容師法施行令第4条第1号に基づく出張理容・出張美容の対象について
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000123997.pdf
3.訪問理美容の使い方
- 訪問理美容室に問い合わせる
- 近くの理美容室に問い合わせる
- 介護事業所に問い合わせる
- 地方自治体に問い合わせる
ホームページなどを検索して訪問理美容を行っている店舗を探して、電話などで問い合わせます。この方法が一番確実でしょう。
近くの理美容室に問い合わせてみて、訪問してもらえないかと問い合わせてみるのも一つの方法です。
デイサービスなどの事業所と訪問理美容室が提携している場合があります。事業所に問い合わせることで、提携している業者を紹介してもらえるかも知れません。または各事業所と関わりのあるケアマネージャーに問い合わせるのも有効でしょう。
費用助成を行っている地方自治体であれば、訪問理美容室を紹介してもらえる可能性があります。
4.訪問理美容の料金
訪問出張費がかかりますので、理美容室でサービスを受けるときにくらべて高い料金となります。介護保険の枠組みではないので、料金は理美容室毎に異なりますし、全額負担しなければなりません。
5.訪問理美容の費用助成
地方自治体によっては訪問理美容を安く利用するための助成サービスを行っているところがあります。助成が利用できるのは高齢者であること、要介護度が一定以上であること、といった条件を満たしたときであることが多いです。またパーマや髪染めまで助成してくれるわけではなく、散髪のみの助成としていることが一般的です。
助成が使えるかどうかを調べるには各地方自治体のホームページを検索するか、電話で問い合わせてみるのがよいでしょう。
6.まとめ
- 訪問理美容は理美容室に行けない人のためのサービス
- ケガ、病気、介護などで理美容室に行けない方が対象
- 使う場合は訪問を行っている理美容室に問い合わせるのがおすすめ
- 地方自治体によっては安く利用できる助成制度がある
高齢者になっても髪は清潔で綺麗でありたいと思うものです。寝たきりなどで理美容室に行けない人にも散髪などのサービスを提供できる訪問理美容が広まることは、多くの高齢者の生活を豊かにするのではないでしょうか。
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