外出のきっかけ、生きがいにもなる高齢者のボランティア。ボランティアの種類やポイントが貯まる仕組みをご紹介
定年を迎え、子供たちも独立してしまうと1日の中で睡眠時間と自由時間が増える傾向にあるようです。内閣府がおこなっている社会生活基本調査によると、70歳以上の方は、起きている時間の大半が自由時間という調査結果が出ています。その時間をどのように使うべきかと考えた時に、候補として上がってくるのはボランティアではないでしょうか。
ボランティアにはどんなメリットがあるのか?どんな種類のボランティアがあるのか?最近よく耳にする、ボランティアをするともらえるポイントについても紹介したいと思います。
1.ボランティアのメリット
ボランティアとは「自主的に奉仕活動をする」という意味で、奉仕とは「私心(自分の利益を欲する心)を捨てて力を尽くす」事のため、本来の意味を考えればメリットを論じるという事は既にお門違いな事なのかもしれませんが、善意だけでは勤まりません。他人のために、自分のために活動する方が、活動にも力が入るというものでしょう。
- 健康づくりのため
- 人に喜んでもらえる
- 人との繋がりができる
高齢者は全ての世代の中で一番テレビを見ているという統計データもあるくらい、家でじっとしている人が多いようですが、ボランティアは外出のきっかけを与えてくれます。外に出て活動している方が気分転換にも繋がりますし、運動不足の解消にもなります。
年齢を重ねてくると人に助けられる機会が増えて来てしまうものですが、ボランティアをする事で、人の役に立ち喜んでもらう事ができるため、自分もうれしくなり、それが生きがいになる方も多くいらっしゃいます。
特に男性の場合は、定年までは仕事一筋でご近所づきあいをあまりしていないため、地域に知り合いがいないというケースも少なくないでしょう。ボランティアをすることで、地域に新しい繋がりを作ることができます。
2.高齢者のボランティアの種類
ボランティアを検討している人が、ボランティアに求めるものも「体を動かしたい」「人と接したい」など色々あると思います。ここでは、高齢者が、参加している代表的なボランティアを紹介します。
- 介護施設でボランティア
- 子育て支援のボランティア
- 自然環境を守るボランティア
地域の介護施設で、利用者の話し相手、食事の配膳の補助、レクリエーションのサポート、清掃などをスタッフのサポートなどをおこなうボランティアです。将来、自分が介護施設でお世話になる事になった場合に、既に顔見知りのスタッフがいれば安心して利用できるというメリットもあります。
地域ぐるみで子育てを目的とし「コミュニティ・スクール」が平成16年に制度化されており、地域に住む方々が学校に関わることが増えてきています。高齢者も授業の講師、学校行事のサポート、学童保育のアシスタントなどで参加しています。
森林や海辺のゴミ拾いなどの清掃活動や、草刈りなどの環境を守るための活動をおこなうボランティアです。
3.ボランティアでポイントが貯まる
各自治体によって細かい部分は様々ですが、高齢者がボランティアに参加するとポイントがもらえて、商品や現金と交換してもらえるという取組がおこなわれています。有償のボランティアについては「ボランティアの理念に反する」「より励みになる」と受け取り方は様々なようですが、その仕組みを見ていきましょう
※自治体によっては、ルールが違う場合、実施していない場合もあります。
- 趣旨
- 仕組み
- 稼働状況
国連基準では60歳、WHO基準では65歳以上を高齢者と一括りにされてしまいがちですが、要介護認定を受けていない「元気な高齢者」と「支援を必要とする高齢者」に分けることができます。元気な高齢者が多いため、自治体は『社会を支えてもらうために活躍してもらいたい』、『自分自身の介護予防にもつなげて欲しい』という目的から、ボランティアを推奨しています。
自治体がやっているボランティア組織に登録し研修を受け、指定されている介護施設でボランティア活動をおこないます。その労働時間、活動内容に応じてポイントが交付され、貯まったポイントを物やお金に交換します。年間に交換できる金額には上限を設けている自治体が多いようです。
65歳以上を対称にしている自治体が多いですが、ボランティアに参加されている方は70歳以上の方が多いというデータもあり、60代は仕事をして70歳からは、この制度を利用してボランティアをされている方が多いようです。
4.まとめ
- ボランティアは、運動不足解消・脳の活性化につながる
- ボランティアの種類は、高齢者の支援・子育て支援・清掃などが多い
- 「元気な高齢者」は社会を支える担い手として期待されている
高齢者にとってボランティアに参加することは、自身の健康と充実した生活を送るのに非常に役に立つものです。新しい事を始めるのは腰が重いかもしれませんが、ぜひ1度試してみてください。
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