02月 04, 2017

高齢者の生活、高齢者が働くメリット、高齢者を雇用する企業のメリットを紹介します。

「定年を迎えて生きがいを失ってしまった。」「将来のことを考えると仕事をしないと生活費が尽きてしまうのではないか。」「定年退職して家にいる旦那に働きに出て欲しい。」など、高齢者と仕事の話はいろいろと話題が尽きないテーマではありますが、今回は高齢者を取り巻く労働環境、今まで当たり前だった仕事が与えてくれていたメリット、高齢者を雇用する企業側のメリットをご紹介させていただきます。

１．高齢者の生活環境

時代の変化とともに高齢者の生活環境も変化しています。昔のように定年後は家でゆっくりということもなくなるかもしれません。

年金支給年齢の先送り

昔は60歳から年金を貰えましたが、現在は65歳からに変更されています。定年を延長している企業もありますが、全ての企業が対応している訳ではありません。退職金を食いつぶさないためにも、年金支給までは働く必要がありそうです。

健康寿命が伸びた

昔と比べると60歳は非常に元気になりました。60歳から65歳の男性で「まだ仕事がしたい」と考えている人は50%を超えていると言われており、体力的な面でのハードルは低くなってきています。

企業の高齢者雇用の意識の変化

多くの企業が定年年齢の引き上げや、高齢者雇用の試みを行っており、社会全体として高齢者の労働環境が整いつつあります。

２．高齢者が働くメリット

これは高齢者に限らないことかもしれませんが、働くメリットとは何でしょうか？改めて働くということのメリットを考えてみましょう。

収入がある

まず初めに出てくるのは収入でしょう。年金の支給が65歳に先送りされた状態で、60歳で定年退職をしたら、5年間は収入が無くなり退職金・貯金で生活する事になります。貯金が減っていく不安というのは精神衛生上よくないものですので、そのような不安を減らすことができるというのは大きなメリットです。もし、貯金が底を突くような事態が実際に起こると、その頃には今よりさらに高齢になっており、働くことへのハードルが高くなっているかもしれませんので、事前に計画を立てて進めていくことが大切です。

健康に良い

健康面でのメリットとしては、規則正しい生活になる、頭を使うので認知症の予防になる、軽作業などが程よい運動になる、雇用形態によっては健康診断を受ける事もでき病気を早期発見できる可能性が高まるなどが挙げられます。

人の役に立つ、社会との繋がりを感じられる

仕事をせずに家にいる状態になると、外部との関係が絶たれてしまい孤独を感じる方が多いです。しかし、仕事をしていると、職場のスタッフとのコミュニケーションや、仕事を通じて人に喜んでもらうなど様々な刺激もあり、生きていることへの満足感アップに繋がります。

３．会社が高齢者を雇用するメリット

「高齢者を雇用する企業が増えてきている」と先ほどご説明させていただきましたが、企業は何を求めて高齢者を雇用しようと考えているのでしょうか？会社が高齢者を雇用する理由をご説明します。

まじめな人が多い

60歳から65歳までの男性で就業意欲のある人は50%を超えており、勤務態度がまじめで、接客態度は若手の手本になるという高い評価を得ています。高齢者の雇用が進みすぎて、若い人の働き口が奪われるのではないか？という話もまんざら嘘ではないかもしれません。

お店に来る客層に変化をもたらす

高齢者のスタッフを採用したところ「同世代の人が働いていると、お店に入りやすい」「同世代の人が頑張って働いているのを見ると、元気をもらえる」という理由から、高齢者のお客さんが増えたという店舗も多いようです。

時間の融通が利く人が多い

定年されている人は時間に余裕のある人が多いため、勤務時間の融通が利くという声が多いです。また、「仕事はしたいけど、そんなに長時間でなくていい」という方もおられて、通常だと人が見つかりにくい短時間勤務の枠を受けてくれるのも高齢者の割合が高いと言われています。

高齢者の経験、人脈を活かせる

現役時代に様々な事を経験され、様々な人脈を築いてきた高齢者の方の知恵や人脈を活用させてもらう事で、企業が新しい事業展開を試みたり、新商品の開発をおこなったりしているという事例も多いようです。

助成金がある

ここまで読んで「人脈も何も無い自分が貢献できるだろうか？」と少し不安になった方もおられるかもしれませんが心配はいりません。高齢者を雇用すると会社には助成金が支給されるのです。特定求職者雇用開発助成金と言われるものですが、フルタイム勤務の方はもちろん、短時間勤務の方も対象になるので企業に取っても大きなメリットになります。