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介護する家族の悩み・相談

介護の悩みで多い腰痛。女性でもできる腰痛になりにくい持ち上げ方と体位変換のコツ

介護での腰痛

ここでは、筋肉の疲労などからくる腰痛について説明をします。内臓疾患や、外傷などから来る場合とは異なりますのでご注意ください。

介護をされている方で腰痛に悩んでいる方は非常に多いのではないでしょうか?介護・看護の現場では、腰痛が原因で離職される方も非常に多く、様々な予防法の研究や、設備・道具の導入が進んでいます。一度痛めてしまうと介護をしながら治そうとしても難しいですし、負荷がかかり過ぎてギックリ腰になってしまい介護が出来なくなっても困ります。ここでは、日々の介護で使える腰痛予防のコツをご紹介させていただきます。

1.なぜ、腰痛になるのか?

介護の時によくとる前かがみの姿勢などが非常に腰に負担がかかることは、経験上ご存知の方も多いと思います。介護をする・しないに関わらず『人は二足歩行になった時から、腰痛の宿命を背負った』と言われており、常に腰痛のリスクに晒されています。人の身体は、体重の1割を占める頭が、身体という1本の軸の一番上に乗っている状態です。重いものが上にあっても、真っ直ぐ軸の上に乗っていれば負担は小さいのですが、軸の上から外れると一気に負担が大きくなります。では、軸から外れると負担が大きくなる事が分かる実験をしてみましょう。安全には注意しておこなってください。長い棒の先についている物、例えばりんご飴などあると良いのですが、恐らく手元にはないと思いますので、フライパンやデッキブラシでも良いので柄の一番端を持って、真っ直ぐに立ててみてください。恐らくそんなに重いと感じないと思います。次に、30度くらい斜めに倒してみてください。先ほどとは比較にならないくらいの重さを感じるのではないでしょうか?持っている物の重さは同じなのに斜めにすると負荷が全然違うのです。人の身体に当てはめると、前かがみになった時、腕を前に伸ばした時など、重心の位置が前にずれている時がこの状態にあたり、腰の筋肉がその重さを支えています。このような負荷の高い状態が続くと、腰の筋肉が緊張して固くなり痛みが出るようになります。これが簡単な腰痛のメカニズムなのですが、普通に前かがみになるだけでも負荷がかかるのに、介護の場合はその状態で人を支えたり持ち上げたりする訳ですから、腰にかかる負担はさらに大きくなってしまうでしょう。

2.どうすれば、腰痛を防げるのか?(対応・対策)

介護をしていく中で、何に気をつければ腰痛が防げるのか?という問いに対して説明していきたいと思います。

○身体の使い方に気をつける

先ほどの説明にもありましたが、前傾姿勢など重心の位置がずれている状態で作業をおこなうと身体の負荷は大きくなりますので、特にその部分を意識します。

・なるべく介護を受ける人に身体を寄せる

先ほど、フライパンの柄の一番下を持って斜めにする実験をやってもらったと思いますが、今度は柄の一番根元を持って斜めにしてみてください。恐らく、先ほどより楽に斜めにできたのではないでしょうか?これは、端を持った時より重心の位置が近くに来るため負荷が減っているのです。同じように遠くにいる介護を受ける人を持ち上げようとすると、負荷は大きくなりますが、しっかりと身体を寄せて持ち上げることで、負荷を小さくする事が出来ます。

・身体をねじらない

人の身体は、真上からの負荷には強いですが、前傾やひねりの状態での負荷には、あまり強くありません。必ず介護を受ける人の正面に立ちます。ベッド周りが狭くて、どうしても身体をねじらないと作業が出来ないという場合は、思い切ってベッド周りを片付けましょう。

・重心を低くする

両足を揃えて立っているより、足を肩幅程度に広げた方が、重心が低くなり安定します。低い位置にあるものを取る場合、低いベッドに寝ている人の介助をする場合は、腰を曲げるのではなく、膝を落とすなどして重心を低くしましょう。

・大きい筋肉を使う

先ほどのフライパンの実験をした時に、柄を握りながらおこなったと思いますが、今度は指2,3本で持ってみて下さい(気をつけておこなってくださいね)。先ほどより大変だと思います。それは、手(腕)の筋力よりも指の筋力の方が小さいためです。100kg支えられる筋肉に10kgの荷物を持たせると10%の負担で済みますが、20kgしか支えられない筋肉だと50%の負担が必要になってしまいます。同じ作業をするなら大きい筋肉を使った方が負担は少ないですよね。持ち上げる時などは手で上げてしまいがちですが、人間の身体は上半身よりも下半身の方が強い筋肉が多いので、手では支えていますが足の力で持ち上げる事を意識しておこなった方が負担は少なくなります。

○道具を使う

介護の現場では、負担を少なく介護をおこなうために様々な道具が使われており、一般の家庭でも導入できる物もありますので、家庭内での介護に役立てていただければと思います。

・介護ベッド

高さ調整は、腰痛予防にとって重要な機能です。ベッドが高くなることで、オムツ替えの時などに、殆ど腰を曲げずに作業が出来るので負担が減りますし、立ち上がる時、車椅子に移る時なども介護する人の負担が少なくなるように高さ調整をする事が可能です。また、ベッドの背中の部分が持ち上がる背上げ機能も介護者の前かがみ姿勢の減少に役立ちます。

・トランスファーボード

表面は滑りやすく、裏面には滑り止めがついているボードです。ベッドから車椅子に移乗する場合などに使用します。下に敷きこむ手間などはありますが、持ち上げなくても移乗できるため介護者の負担は減少します。ただし、多少の摩擦は発生するためお尻に床ずれができている場合などは使用できません。

3.腰の疲れを取るには? (アフターケア)

身体の動かし方に気を使ったり、様々な道具を使いこなしたとしても、腰に全く負担をかけずに介護をするという事は不可能でしょう。一日の仕事が終わったら、今日の腰の疲れを明日に残さないために、しっかりと柔軟体操などで身体の疲れを取りましょう。

腰が痛くなった時しかケアをされない方も多いですが、筋肉の疲労などから来る痛みというのは、コップに水を注いでいくと最後は溢れてしまうように、あるラインを越えると痛みを感じ始めます。「急に悪くなった」と考えてしまいがちですが、蓄積によるものなので、日々のケアをしっかりやる必要があります。ここでは、簡単に出来るセルフケアの方法をいくつか紹介します。安全に配慮し、無理のない程度におこないましょう。

・足の振り子運動

階段の1段目や、踏み台の上に片足で立ち、もう片方の足をブラブラと振り子のように振ります。この際に、上半身も一緒に動きそうになりますが、上半身は真っ直ぐの状態を維持してください。大腰筋、腸骨筋などは腰周りから始まって、足の付け根まで続く筋肉なので、ブラブラすると腰の疲れが和らぎます。片側30回程度が目安です。

・腰ぐるぐる運動

両足を肩幅くらいに広げて真っ直ぐ立ち、骨盤で円を描くようにぐるぐると回します。フラフープを回すようなイメージです。この際も上半身の軸は、なるべく真っ直ぐになるようにしてください。右回しと左回しの両方をおこない、左右で回しにくい方があった場合は、身体の使い方の違いなどから歪みが出ている状態です。同じ感覚で回せるように頑張りましょう。こちらも片側30回程度が目安です。

・骨盤上下運動

仰向けに寝た状態で、右の骨盤を右肩に近づけるようなイメージで上げ、今度は左の骨盤を左肩に近づけるようなイメージで上げる動きを交互に繰り返し、お尻で歩いて頭の方向に進んでいくような運動です。寝起きに腰が固まっている感じがする方にもお勧めです。

まとめ

1.身体の重心が崩れると、筋肉の負担が増える
2.負担が続くと筋肉が固まり痛みが出る
3.腰痛を予防する道具を有効活用すれば腰の負担を減らす事ができる
4.痛みが出る前の日々のケアが腰痛予防の鍵

腰への負担は避けては通れないので、身体の使い方、道具の使用で負荷を減らし、介護する側が少しでも楽に介護できる状態を作っていきましょう。

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