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介護する家族の悩み・相談

高齢者や認知症の方はなぜ徘徊してしまうのか。徘徊の原因と予防方法(介護の悩み)

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若い方でも、「今日何日だっけ?」「今日何曜日だっけ?」などと忘れてしまうことがあるように、高齢者や認知症の方は曜日や季節の感覚はもちろん、徐々に自分の今いる場所なども分からなくなってきます。そうなると思い込みや不安などが重なり、思わぬ行動に出る場合があります。その思わぬ行動の中で、今回は介護者や家族の方にとっても悩みの一つである、「徘徊」について原因と予防方法をご紹介します。

1. 徘徊には種類があるの?(徘徊の種類と原因)

世間一般では徘徊というと、勝手に外に出て行ってしまうことを意味しますが、徘徊には種類があり、それぞれ原因が異なります。徘徊の種類とそれぞれの原因を理解しましょう。

● どこにいるのか把握できない(視空間認知障害)ケース

認知症の中でもアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知章の方に多い視空間認知障害の状態から起こる徘徊です。視空間認知障害とは、今向かっている方向や、距離、位置などを把握することができなくなる障害です。他人からみると、トイレなどよく知っている場所にもかかわらず、うろうろしているように見えます。

● 場所が思い出せない(物忘れ)ケース

アルツハイマー型認知症の方に多い、いわゆる行きたい場所や帰る場所が分からなくなってしまう物忘れによる徘徊です。健康な人ならば、初めて行く場所などでもおおよその道順を覚えることができますが、高齢者や認知症の方は覚えることができません。そのため、帰る道順を思い出せずに歩き回り、思いもよらない遠い場所などで発見される場合があります。

● 目的地に向かっていくケース

自分がどこにいるのかも、帰る場所も分かっている場合、こちらの原因の可能性があります。これは、行きたい場所がはっきりと決まっている場合に起こる徘徊です。例えば、「買い物に行かなくては」「仕事に行かなくては」などと思いこみ、必至にその場所に行こうとしている場合などが考えられます。

● 不安や恐怖(せん妄)によるケース

認知症の方に多くみられるのが、せん妄に陥っている時に徘徊する場合があります。せん妄とは、幻覚や錯覚が見られる状態のことを言います。この場合、本人は強い不安や恐怖に襲われており、意識が混濁して大声で叫んだり、家を飛び出してしまうことがあります。

2. どのように接したらいいのか?(対応方法と予防方法)

徘徊の種類を理解したら、徘徊の理由を本人に聞いてみましょう。「何か探しものですか?」「どこへ出掛けるのですか?」などと優しく声をかけてあげてください。徘徊する本人には、本人なりの理由があるので、家にいるのに、「家に帰りたい」などといった場合に「ここ家だよ!」などと頭ごなしに否定すると、かえって逆効果になり、興奮状態や暴言、暴力に及ぶこともあります。否定するのではなく、本人の気持ちを理解してあげることが重要です。また、その他にも徘徊してしまったときの対応方法や事前の予防方法をご説明しますので、徘徊してしまう人に対して、しっかりと向き合い対応していきましょう。

● 居場所が分かる工夫をする

家の中で彷徨っている場合は、部屋のドアを少し開けておいたり、夜中であれば、廊下や部屋の常夜灯をつけて明るくしておきましょう。また、自分の家か分からない場合には、家の壁に自分の居場所が分かる工夫をして確認させるのも効果的です。家の住所がわかる場合は住所を壁に張り付けたり、家の表札を室内に置いたりします。こうすることで、自分がどこにいるのか、納得していなくても、自分の家だということがわかり、徘徊せずに落ち着く場合があります。

● 関心をそらす

目的が決まっていて徘徊する場合には、目的に対して関心をそらす方法があります。

例)仕事に行こうとしている場合

「仕事に行くなら、仕事用の服を探しましょう。」

例)ご飯を食べに行こうとしている場合

「ご飯が食べたいなら、一緒に野菜を用意しましょう。」

関心をそらすことで、他のことに興味をもち、関心が他に移っていくことが多いです。

● 一緒に出かける

高齢者や認知症の方は家に閉じ込められるストレスから、徘徊してしまうこともあるので、時間があるときは一緒に外出しましょう。本人が行きたがっている場所に行ってみたり、家の周辺を散歩することで、気分が変わり、少なからず本人も満足します。また、行きたがっている場所に行くことで、家からいなくなってしまったときに、探す場所の見当がつきやすくなります。

3. 家からいなくなってしまった・・もしものために(安全策)

事前に徘徊しないように工夫をしていても、他の理由や不安、恐怖などから突然家からいなくなってしまう場合も考えられます。こうなってしまうと、介護をする側の人はもちろん、家族やご近所の方にも迷惑をかけてしまいます。もしも家からいなくなったときのために、安全策を講じておきましょう。

● 外出時の服装を目立つようにする

車や遠くからでも見つけやすいように、普段から外出時に着用する服は明るい色の上着などを着せるようにしましょう。また、反射板ステッカーをそで口や、靴のかかと部分に貼ることで、夜間でも見つけやすくなります。また、迷子になってしまった際に身元がわかるよう、衣服に氏名や住所を縫いつけておくことも有効です。

● 警察署や交番などに事情を説明する

顔写真と氏名、住所を届けておくことで、外で保護されたときの連絡がスムーズになるだけでなく、徘徊を見つけた時に連絡をもらいやすくなります。

● 近所の方や商店街などに事情を説明する

徘徊する方が一人で歩いている際などに声をかけてもらいやすくなります。また、商品を勝手に持ち出したり、お金を持たずに買い物しようとした際にトラブルになりにくくなります。

4. まとめ

■ 徘徊にも種類があり、それぞれ原因が異なることを理解する。

■ 徘徊を予防するには、居場所が分かる工夫や関心をそらすようにする。

■ もしも家からいなくなってしまった時のために、警察署や、交番、近所の方などに事情を説明しておく。

徘徊が続き、家の外に出るようになると、介護者や家族の方には精神的にも身体的にも負荷がかかってしまいます。徘徊の原因や予防をすることで、徘徊する回数を減らし、少しでも介護者や家族の負担を軽減していきましょう。

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