デイサービスやショートステイを嫌がる親。行きたくない理由と行きたくなってもらう方法
毎日、自宅で介護をしているとどうしても疲れがでてきてしまいます。 介護の負担を軽減させるためにも、デイサービスやショートステイを利用したい。でもデイサービスに行くのを嫌がってしまう。そんなお悩みを抱えているご家族は少なくありません。
どうして行ってくれないの?と余計にストレスを感じてしまい、強い口調で話してしまうと介護される側もする側も嫌な気持ちになってしまいます。
そんなとき、どうすれば行きたくなってくれるのかの方法をいくつかご紹介したいと思います。
1.なぜ行きたくないのか?(原因・理由)
■なんとなくデイサービスに不安がある
高齢者や認知症の方でなくとも、知らない人ばかりの場所に行くのは不安でいっぱいになりますよね。それと同じで、デイサービスや施設に行くのがなんとなく嫌、良いイメージがないといった理由で拒否します。
■高齢者扱いされたくない
特に男性に多いのが「そんな老人ばかりのところに行きたくない!そんなに老いていない!」という方です。「高齢者」として扱われることを嫌い、誰かに世話をしてもらうデイサービスなんかに行きたくないという気持ちからきています。
■行っても楽しくなかったという印象が強い
1度はデイサービスに行ったのにその後、頑なに嫌がる方がいます。家族に言われて行ったのに、楽しくなかった、あるいは嫌な気持ちになったのでもう行きたくないという方です。
2.どのようにすれば行きたいと思ってくれるようになるのか?(対応・対策)
上記のような方に対して、どのようにすればデイサービスに行ってくれるようになるのでしょうか?
■どのような場所なのかをしっかりと説明をする
漠然とした不安を抱えていたり、良いイメージがなかったりする方には、どんな場所なのかをしっかりと説明する必要があります。
「自分は行って何をするのか」「どんな人がいるのか」など、できる限り情報を伝えてあげましょう。「このプログラムが楽しそうだから」「あのケアマネージャーさんのおススメらしい」など本人が少しでも「行ってみようかな」と思ってもらえるような説明をしましょう。
もちろん、ご家族がどんな施設でどんな内容を行っているのか理解しておく必要があります。どこのデイサービスも、見学会を行っているので一緒に行ってみるのもひとつです。
「今日、見学に行くからね!」と言ってしまうと嫌がってしまう可能性もあるので、散歩中に「ちょっと楽しそうだから覗いてみようか。」と提案してみると良いでしょう。
■利用する人に合ったデイサービスを探す
デイサービスの中には元気な高齢者向けに運動やフラダンス、書道やカラオケが出来るプログラムが用意されているところもあります。一概に「高齢者」といっても様々な身体状態の方がいらっしゃいます。動くのも大変で介助が必ず必要な方もいらっしゃいますし、ある程度自分の事は自分でできる方もいらっしゃいます。
まだ自分は「高齢者」じゃないから行かないといった人には、まずデイサービス=介護というイメージを払拭してあげましょう。 例えば「お父さんはまだまだ元気だから、書道も出来る施設にいけば書道仲間が増えるかもしれないよ!」と提案するもの良いでしょう。
みんなで一緒にレクリエーションや折り紙をするより、一人で本を読んで自由に過ごしたい方などその人によって良いと感じるデイサービスは異なります。
本人の意見をしっかり聞きましょう。
■デイサービスで役割を見つける
一番良いのはそのデイサービスで役割を見つけることです。
「○○さんがいないとみんながさみしがるよ」「今日は○○さんがいるから、この力仕事はお任せできるね」など、デイサービスのお友達や職員さんから必要とされることは非常に重要です。
「しょうがないから行ってあげるか!」と自分の役割を見つければ、自然とデイサービスに行ってくれるようになります。
楽しくデイサービスに行ってもらうことが1番です。職員さんやケアマネージャーさんにどんどん相談しましょう。
3.どうしても行きたくないという場合は・・・
上記の方法を実行しても、どうしても行きたくないと泣いて嫌がる、そんなときは無理やり行かせることだけはやめましょう。無理やり行かされているから楽しくない、家にいたいのに家族に追い出されているといった印象を植え付けてしまいます。
人間は嫌なことをされた記憶は強く根付いてしまう生き物です。認知症の方でも、自分がされた嫌なことだけは覚えているというケースは多くあります。 そんな時は、「今日はお休みにしようか」と優しく声を掛けて下さい。デイサービスで嫌なことがあったり、あるいはそのプログラムが合ってなかったりしたのかもしれません。なんで嫌なのかをしっかり聞いてあげることが必要です。
また、嘘をついて行かせることは絶対にやめましょう。切羽詰まっている家族からすると嘘をついてでも行ってもらいたいときもあると思います。しかし、信じている家族に裏切られた、騙されたと思われてしまうとその後、介護をする上でも障害になってきます。
安心する自宅にいたい高齢者と、すこしでも介護から開放されたいご家族。そんなときは、在宅サービスを活用するのも一つの手段です。現在、多くの在宅サービスがあるため一度調べてみるのも良いでしょう。
まとめ
- しっかりと話を聞き、なぜ行きたくないのかを把握する。
- その人にあったデイサービスの内容を提案する。
- どうしても嫌がる場合は、無理やり行かせない。
- 在宅サービスを利用し、介護の負担を軽減させる。
家族なのに優しくできなかったり、イライラをぶつけてしまったりと日々介護をしているとどうしてもストレスに感じてしまうことがあります。 介護をされる側も、自分のせいで家族に迷惑を掛けることは分かっているけど、行きたくない。そんな気持ちと葛藤しているのかもしれません。介護する側、される側、お互いにベストな方法を探していきましょう。
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