親の介護、認知症…。介護の悩みや分からないことは、どこに相談すればいいのか?
高齢者や認知症の介護は身体的・精神的に負担が大きいものです。介護をし始めたときもそうですが、徐々に必要な介護が増えていくにつれて困ったこと・分からないことが出てきます。
そんなときに悩みを聞いて、解決策を一緒に考えてくれる人が身近にいれば心強いのですが中々難しいものです。ここでは高齢者や認知症の介護の相談を受けてくれる公共機関や組織をご紹介します。
1.介護・認知症の相談を行うことの大切さ
家族の介護を他人に任せずに家族だけで行おうとする考え方は、未だに根強く残っています。それ自体は親にお世話になった分を自分の力で恩返しをしたい想いから来ているので、全てが否定されるべきではないと思います。
しかし、実際の介護の現場では休みなく続いていく・いつ終わるかわからない・介護することは減るどころか増えていくといったことが原因となって先に介護する側の精神が病んでしまうことが多いです。
厚生労働省によると、2009年から2014年の間に相談・通報を受けた中で家族による高齢者虐待があったと判断した件数は15,000件を下回ったことはがありません。また虐待の結果死亡した件数は毎年20件以上あります。これは相談や通報があった中での数字なので、実際にはもっと存在する可能性があります。
自分はそうはならないと思うかもしれませんが、念のために相談する相手がいるということは知っておく必要があります。正しい知識を教えてもらうことや不安に思っていることを相談すること、自分には出来ない専門的なことを代わりにしてもらうことは決して悪いことではありません。
2.介護、認知症の相談を受けてくれる公共機関や組織
病院
最近の高齢者・認知症患者の増加に対応するために認知症の専門医・専門外来を設置する病院が増えてきています。認知症なのかどうか、原因は何か、どれくらい進行しているのか、予防改善にはどうすればいいのかについて医学的な説明を受けたい場合は病院に相談しに行くことが一番良いでしょう。専門医がいるかどうかは病院で直接聞く他、インターネットでも検索できます。
日本認知症学会認定 専門医リスト http://dementia.umin.jp/g1.html
高齢者総合相談センター
別名のシルバー110番の方が有名かも知れません。各都道府県に1箇所ずつ配置されています。高齢者とその家族の悩みを相談してもらうために設置された相談窓口です。電話で#8080(ハレバレ)を押すと担当地域の高齢者総合相談センターに繋がり相談を受け付けてもらえます。
居宅介護支援事業所
居宅介護支援事業所のケアマネージャーにも相談することが出来ます。ケアマネージャーは介護保険で受けられるサービスやスケジュール(ケアプラン)を作成する介護の専門家です。介護保険が適用できる内容かどうかに関わらず、一度相談してみるのもいいでしょう。
地域包括支援センター
地域包括支援センターは各市区町村に設置されています。介護保険法を基に作られた組織ですが、介護以外にも医療や虐待防止など幅広くサポートを行っています。保健師・介護師・社会福祉士・ケアマネージャーなどが所属し、内容にあった担当者が相談を受けてくれます。
公益社団法人 認知症の人と家族の会
1980年に「呆け老人をかかえる家族の会」という名前で始まった組織です。当時は認知症に対する国民の知識レベルは低く、認知症に対する差別が今よりも強かった時代です。認知症対策の政策などもなく、行政・会社・地域住民から何も援助が得られない状態で介護を行う家族が多くいました。それらの人たちが集まって相談しあって出来た組織です。
自分一人が悩んでいるわけではない、頑張っている仲間がいると思えることは心の支えになります。実際に介護をしている別の家族の方に相談したい場合は、こちらに一度電話してみるのをおすすめします。
公益社団法人 認知症の人と家族の会
http://www.alzheimer.or.jp/
3.まとめ
- 介護を一人で抱え込んだ結果、虐待や殺人が起こるケースが跡を絶ちません
- 介護の相談をすること、周囲に頼ることは悪いことではありません
- 悩みを相談することが出来る機関は多くあります
介護の問題を一人で抱え込むのは大変です。悩むこと、つらいこと、どうしていいのかわからないことがあれば専門家に相談してみてください。介護する側・される側ともに幸せに生活する手助けをしてくれる方がきっと見つかるはずです。
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