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緊急処置

低温やけどに注意!やけどを起こしやすい高齢者。その理由と応急処置の方法


高齢者がやけどをしやすいことをご存知でしょうか?
平成21年9月からの5年間で65歳以上のやけどの事故が338件発生しており、死亡に至った事例が2件あったと消費者庁からの発表がありました。さらに、このやけどの原因のうち119件は低温やけどに関するものでした。
今回は高齢者がやけどをしやすい理由や、応急処置などをご紹介いたします。

1. 高齢者のやけど

高齢者はやけどをしやすい上に、重症化しやすいといわれています。その原因としては、加齢に伴う身体の変化が関係しています。

1)感覚が鈍くなる

年を重ねると皮膚の神経細胞の数が減るため、温度や痛みを感じにくくなります。そのため、やけどをしたことに気がつかず、知らないうちに重症化していたというケースは少なくありません。
特に糖尿病を患っている方は、知覚神経に問題があることが多く、ますます温度や痛みを感じることが難しくなります。

2)皮膚が薄くなる

加齢とともに皮膚本来の機能が低下してきます。乾燥がひどくなり、皮膚が薄くなり傷つきやすくなります。そのため外部からの少しの刺激で重傷化してしまう上に、回復能力も低下しているため治りづらくなります。

3)寒さを感じやすくなる

身体の脂肪が減ることで、外気温の変化に影響を受けやすくなり寒さを感じやすくなります。そのため高齢の方は暖房器具を使い、温かくすることを好みます。
この暖房器具の使用方法を誤り、低温やけどを負ってしまうのです。

2. やけどを起こす原因

1)低温やけど

高齢者のやけどで最も多いのが「低温やけど」と言われています。
低温やけどは、体温より少し高い温度のものに長時間触れ続けることで起こるやけどです。通常のやけどと違い、数日経ってから痛みが現れます。その為、やけどしていることに気が付かず、そのまま原因となっている熱源に触れている状態のままやけどが進行してしまいます。

低温やけどは、湯たんぽやカイロなどの暖房器具によって起こります。
長時間カイロを張ったままにしていた、電気カーペットの上やこたつを付けた状態で寝てしまったなどが原因で低温やけどを起こす高齢者が多くいらっしゃいます。
通常のやけどと違い、深部で炎症を起こしているため表面上はひどく見えません。しかし、見た目より重症化していることが多く、治るまでに時間がかかってしまうのが特徴です。

2)衣類着火によるやけど

低温やけどの次に多いといわれるのが、衣類着火によるやけどです。
仏壇のろうそくやガスコンロの火が、衣類に移り燃えてしまったというケースが多くあります。視力の低下により火が見えにくくなることが原因の一つといわれています。特に白内障の方は青色の火が見えにくくなるため、非常に危険です。

また着ている衣類にも原因があるといわれています。
袖が広がっていたり、全体的にゆったりとした衣類を着用している高齢者が多く、火が燃え移る危険性が高くなります。寒さを感じやすい高齢者は、たくさん着込んでいることも多く、火が移ってしまったことに気がつかず対処が遅れてしまうこともあります。

このほかに、ストーブの上に置いているやかんや鍋の熱湯、入浴時の熱湯なども高齢者のやけどの原因として多くあります。

3. やけどをしてしまったら(応急処置)

1)冷水で冷やす

すぐに冷やすことが大切です。
水道水などの流水や、洗面器にためた冷水で痛みを感じなくなるまで冷やします。
服の上から熱湯をかぶってしまった場合は、服の上から冷やすようにしましょう。衣類にやけどした皮膚がくっついている場合があり、衣類と共に皮膚がはがれてしまう危険性があります。

2)軟膏を塗り、ガーゼなどで保護する

痛みがなくなったら、軟膏を塗り傷口につかないガーゼ等でやけどした部分を保護します。薬を塗るときは清潔な手で塗るようにしましょう。
水膨れができるなど症状がひどい場合や、やけどした範囲が広い場合は自身で処置せずただちに病院で診てもらうようにしましょう。特に高齢者は免疫力が低下しているため、傷口から細菌が入り込み感染症のリスクが高まります。
やけどの範囲が身体の10~15%に値している場合は救急車を呼びましょう。

4. やけどしない為に(予防)

・使い捨てカイロの使用方法を守る

カイロは衣類の上に貼り、長時間同じ場所に当てないようにしましょう。また、貼った上からサポーターやぴったりした衣服で圧迫しないように注意しましょう。

・就寝時に湯たんぽや電気あんかを使用しない

湯たんぽや電気あんかは寝る前に布団を温める目的で使用しましょう。就寝時は布団から必ず出すようにしましょう。

・コタツや電気カーペットをつけて寝ないようにする

コタツや電気カーペットは、身体の同じ場所に熱を与え続けるので危険です。また、コタツで寝ることはやけどだけでなく脱水症や心筋梗塞の危険もあります。

・燃えやすい衣類を着用しない

セーターやフリースなど生地が毛羽立ちやすい衣類は火が着きやすく、瞬時に火が全身に走る「表面フラッシュ現象」が起こりやすく危険です。また、火を使うときは袖や裾が広がっていない衣類を着用し、できるだけ不燃性の布でできた割烹着などを着用するようにしましょう。

・熱湯に十分注意する

入浴する際は、同居している家族がお湯の温度をチェックし、追い炊きは原則しないようにしましょう。また、やかんではなく電気ポットを使用するなど、熱湯をよく通る場所には置かないようにしましょう。

5. まとめ

・高齢者の皮膚は傷つきやすく、温度を感じにくいためやけどを起こしやすい。
・低温やけどは通常のやけどと比べて重症化しやすいので十分注意する
・やけどをしたらしっかり冷やし、病院で診てもらう
・暖房器具は長時間使用しないようにする

いかがでしたか?
冬は暖かく過ごすためについつい、暖房器具をつけっぱなしにしてしまいがちですが、低温やけどにならないよう皮膚の状態をチェックしたり十分に注意しましょう。
たかがやけどと軽く思われがちですが、重症化すると命にかかわる可能性もあります。傷跡を残さないためにも、正しい応急処置を覚えておきましょう。

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