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緊急処置

長引く咳で眠れない!高齢者の咳き込みの原因と症状を緩和させる方法をご紹介します

季節の変わり目や風邪をひいた時に起こる「咳」。咳自体は、身体の中に入ってきた異物を追い出そうとする働きですが、長く続く咳は何らかの病気が隠れているかもしれません。体力を消耗し苦しさを伴う咳は、高齢者にとってつらいものです。
今回は咳の起こる原因と自宅でできる咳の緩和方法をご紹介いたします。

1. なぜ咳が起こるのか(原因)

咳は気管や肺に入ってきたウイルスやホコリ、煙などの異物を身体の外に排除する防御反応です。痰を出したり、誤嚥したりしたものを排出する役割も担っています。
 
喉は、直接外気に接する部分であり一番ウイルスに接触しやすい場所です。通常、粘膜にある繊毛がウイルスや病原体を異物と判断し排出しますが、風邪などで粘膜が乾燥した状態になると繊毛の働きが低下し、ウイルスに感染しやすくなります。ウイルスや病原体を排出する大切な機能のため、咳止めを服用し、むやみに咳を止めてしまうとかえって症状を悪化させてしまう恐れもあります。

2. 高齢者の咳で気をつけたいこと

私達の身体は咳を出す時、背筋を強く収縮させて勢いよく咳を出します。そのスピードはおよそ秒速300mと言われています。咳が続くことで体力が消耗されるだけでなく、肋骨の同じ場所に負担がかかり骨折してしまうことがあります。特に骨粗しょう症で骨がもろくなっている方は、ちょっとした咳でも肋骨の骨折を引き起こしてしまうので注意が必要です。肋骨骨折は、咳や深呼吸をした時に胸部・背部に強く痛みを感じます。

また高齢者は、筋力が低下しているため咳が出にくくなっています。特に認知症、血管障害を起こしたことのある方、パーキンソン病の方はより咳が出にくいといわれています。

咳が出にくい状態が続くと、誤って気管に入った食べ物を上手く出すことが出来ず、肺で細菌が繁殖し炎症を起こす誤嚥性肺炎に繋がることもあります。

3. 咳の種類

咳は大きく分けて2種類あります。
1つ目は、乾性咳嗽(かんせいがいそう)と呼ばれる渇いた咳で「空咳」とも呼ばれます。「コン、コン」といった咳が特徴で、痰が絡むことはありませんが喉を痛むことがあり、病的な咳といわれています。
2つ目は湿性咳嗽(しっせいがいそう)と呼ばれる、痰や血の混じった痰がでる咳です。「ゴホン、ゴホン」といった咳が特徴で、鼻水や痰が気管に入るのを防ぐ為の生理的な作用です。
医師の診察を受ける前に、どのような咳がいつから出ているのかをチェックしておくと良いでしょう。

4. 咳から考えられる病気

風邪だけでなく、咳はなんらかの病気が原因になっている可能性があります。

◎3週間以内の咳、徐々に治まってきている

風邪の症状が見られる場合
 ・・・ウイルス性感冒、急性気管支炎など
肺に影がある場合
 ・・・肺炎、結核など

◎3週間以上咳が続く

痰が出ない咳(乾性咳嗽)
・・・慢性気管支炎、気管支結核、放射性肺炎、マイコプラズマなど
痰が出る咳(湿性咳嗽)
・・・慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺結核、気管支拡張症、誤嚥性肺炎など
痰が出る、出ないどちらにも当てはまる病気
・・・喘息、肺がん、胃食道逆流症、心不全、後鼻漏症候群など

5. 自宅でできる咳の緩和方法

1)温かい飲み物を飲む

風邪に良いとされる生姜湯やハーブティーなどの温かい飲み物は、身体を温めてリラックスさせてくれます。喉の筋肉の緊張を和らげ、吸い込む空気を暖めて気道への刺激を和らげる効果が期待できます。

2)のど飴をなめる

のど飴をなめることで、唾液の分泌を増やし口の中を潤わせてくれます。またのど飴の中では、カリンやハーブなど喉をすっきりさせてくれる成分が配合されているものもあります。

3)背中を暖める

背中や首には、咳を沈めるつぼが集まっているといわれています。お風呂に浸かったり、シャワーを1分ほど背中に当てるだけでも効果があるそうです。

4)加湿器を利用する

空気が乾燥し、口の中が乾くと痰が切りにくくなるだけでなく粘膜の防御機能が弱まり、ウイルスが体内に侵入しやすくなります。室内の湿度は常に60%を保つようにしましょう。
加湿器がない場合は、マスクを使うのがおススメです。特に寝ている間、口呼吸になってしまい起きた時喉が痛くなるという方は、マスクをして寝ると良いでしょう。

5)上半身を高くして寝る

横になると咳が出るのは、気道が狭くなることが原因といわれています。上半身を高くすることで、呼吸が楽になり咳が止まりやすくなります。枕の下にクッションを挟み30度くらいを目安に角度をつけましょう。

6. まとめ

・高齢者の咳は、骨折や誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があるので気をつける必要がある。
・長期間続く咳は、病気の可能性があるので早めに受診すること。
・口の中を乾燥させないよう、加湿器、マスク、のど飴を使って保湿をする。
・上半身を少し高くし寝ることで呼吸がしやすくなる。

単なる風邪として放っておきやすくなる咳。高齢者にとって、苦しく体力を使う咳は一刻も早く止めたいものです。ご紹介した緩和法を取り入れながらも、咳の原因となっている病気の治療を行うことが大切です。
特に長引く咳はなんらかの病気が隠れている場合があるので、早めに医師の診察を受けるようにしましょう。

筆者 レイス治療院
あん摩マッサージ指圧師の国家資格を持つ施術師が400名以上在籍し、2003年より訪問マッサージを通じて地域社会に貢献している。
ご利用者様の健康を管理するために、技術面ではリハビリを取り入れたマッサージを行い、医療・介護業界での経験をもとにしたお悩み相談、医学的観点からアドバイスを行っている。

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