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緊急処置

軽傷者がタクシー代わりに使い有料化も検討される救急車。「本当に必要か!?」と迷った時の方法をお教えします。

総務省によると、平成27年中の救急車の出動件数は605万4,815件(1.1%増)、搬送人員は547万8,370人(対前年比1.1%増)で出動件数、搬送人員ともに過去最多を記録しました。年間出動件数は7年連続の増加となっています。
この増加の背景にある一番のものは「高齢の病人・けが人の増加」ですが、その次に上げられる要因としては、救急車を呼んだが緊急では無かったケースです。救急車で運ばれたが入院の必要が無い軽症だった人が全体の49%を占めています。そのような話を聞くと、真面目な人ほど「救急車を呼ばないと」と思った時に「いや、これ必要ないケースだったらどうしよう?」と悩んでしまいがちです。今回は、緊急でもないのに救急車を呼んでいる実態、救急車が必要か迷った時はどうすればいいか?、救急車に電話する際に聞かれやすい事をご紹介させていただきます。

1. 救急車を呼ぶケースの内訳

1分1秒を争う救急車ですが、この10年で現場到着までの時間が2分以上遅くなりました。たかが2分と思われるかもしれませんが、心臓疾患の場合は1分遅れると救命率は10%低くなると言われており、とても重要な数字なのです。
東京消防庁の消防に関する世論調査によると、緊急でもないのに救急車を呼んだとんでもない物としては、

  • 病院へ連れて行ってくれる人がいなかった
  • 救急車で病院に行った方が優先的に診てくれると思った
  • 交通手段がなかった

などが上げられます。このような悪質な例に対しては出動にかかった費用を請求する有料化案も検討されています。
その他の物は、

  • 生命の危険があると思った
  • 自力で歩ける状態でなかった
  • 軽症や重症の判断がつかなかった

など、重症だと思って救急車を呼んだが、病院で軽症と判断された事例になります。

2. 救急車が必要か迷った時はどうすればいいか?

救急車を呼んだ方が良いかを相談できる窓口があります。代表的な番号としては#7119と#8000が上げられます。

  • #7119
  • 大人用の相談窓口で、東京、北海道、愛知、奈良、大阪などで実験的に24時間対応の「救急安心センター」専用のダイヤルを設けています。対応していない地域でも、時間帯・内容などには差がありますが、同様のサービスをおこなっていますので、緊急時に備えて自分が住んでいる地域の連絡先を調べておきましょう。もし、調べていない状態で緊急かを判断する状況に迫られた場合は119番でも状況を説明すれば対応方法を案内してもらえます。

  • #8000
  • 全国共通の小児医療相談用の専用ダイヤルで、小児科医師・看護師による小児救急医療の相談を受け付けています。短縮番号に電話すると自動的にお住まいの都道府県に転送されます。携帯からの電話も可能です。受付時間帯については、各都道府県により異なりますので、事前に確認しておきましょう。

3. 救急車に電話する時に聞かれること

消防庁が作成している救急車利用マニュアルによると、
Ⅰ.119番に電話したら、まず救急である事を伝える
火事か、救急かを聞かれるので、救急である事を伝えてください。
Ⅱ.救急車に来て欲しい住所を伝える
住所は必ず市町村名を伝えて下さい。交通事故などで正確な住所が分からない場合は、目印になる建物、道の名前、上り線か下り線かなどを伝えましょう。
Ⅲ.具合が悪い人の症状を伝える
誰が、どのようにして、どうなったという事を伝えます。分かる範囲で意識の有無、呼吸の有無も伝えます。
Ⅳ.具合の悪い人の年齢を伝える
もし、分からない場合はおおよそでもかまいません。
Ⅴ.電話している人の名前と連絡先を伝える
場所が不明な場合などに連絡が入る可能性があるので、電話している人の名前と連絡可能な電話番号を伝えます。

[参考資料]
消防庁 救急車利用マニュアル

4. まとめ

  • 救急車の出動要請が増え、年々救急車の到着が遅くなっている
  • 自分で判断できない時のための問い合わせ窓口がある
  • 問い合わせ先、受付時間などは事前に調べておく

普段からの緊急時の備えをしておくことで慌てずに対応でき、不必要な救急車の出動要請も防止できます。本当に救急車を必要としている人の所に1秒でも早く到着できるためには、社会全体の協力が必要不可欠です。

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