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家族が知っておくべき介護知識

自宅が危険?!つまずきを防いで転倒事故を予防しましょう!

要介護状態になる原因の1割が「転倒」という事をご存知でしょうか?
厚生労働省のデータでは75歳以上になると急激に転倒での事故が増えるという統計が出ています。さらに転倒する場所の多くは、外ではなく自宅と言われています。転倒し骨折することで、歩けなくなり身体機能が低下しそのまま寝たきりになってしまう場合もあります。

一番安心できるはずの自宅。転倒する原因とすぐに出来る転倒予防方法をご紹介いたします。

1.なぜ転びやすくなるの?(転倒の理由)

高齢者が転倒してしまう原因は、加齢による身体的な要因と外的要因があります。

■身体的な要因

  • 筋力の低下
  • 下半身の筋肉がしっかりしていると、足を上げて歩くことが出来るので階段や段差でつまずくことはありません。しかし歳を重ねるにつれ、下半身の筋力が衰え、すり足になり小股で歩くようになります。そのため、小さな段差でもつまずくようになるのです。また足がまっすぐ伸びなくなることで、前傾姿勢になりバランスが取りづらくなり転倒リスクがさらに高まります。

  • 視力の低下
  • 視力が低下することも、転倒の原因の一つです。視力が低下すると、段差や床に置いてある物などの障害物に気がつきにくくなります。気がつかないため、避けずにそのまま歩き転倒してしまいます。またメガネの度数があっておらず、見えづらい状態も非常に危険です。

  • バランス感覚の低下
  • 高齢になると、平衡感覚を司る神経が衰えバランス感覚が低下してしまいます。バランス感覚は、「立つ」「歩く」などの動的動作はもちろん、静止の姿勢を保つ際にも必要になります。バランス感覚が低下すると、姿勢が崩れたとき身体を正常に持ち直す動作も遅れてしまうのです。

■外的要因

外的要因は、普段過ごしている家の中に「つまずきやすい場所」がある為に転倒するという環境要因です。環境を整備することで転倒を防ぐことが可能です。次の章で家の中の転倒を招く場所をご紹介いたします。

2.こんな場所に注意!(転倒を招く場所)

■床に置かれた物

床に置きっぱなしの雑誌やナイロン袋、輪ゴムでさえ転倒の原因となります。滑って転んだり、避けようとしてよろけてしまうなど床に物を置くことはかなり危険なことなのです。

■散らばった電気コード

電気コードはどの部屋にもあるのではないのでしょうか?電気カーペットから出ている電気コード、出しっぱなしにしている掃除機のコード、どこにでもあるからこそ見落としがちになっていませんか?

■敷居のわずかな段差

玄関の高い段差はもちろん、敷居のような2~3cm程度のわずかな段差も高齢者にとってつまずく原因になります。高い段差や階段には手すりをつけている家も多いようですが、小さな段差は見落としがちなので注意が必要です。

■カーペットのめくれ

カーペットのめくれやよれも、転倒の原因となります。毛の長いカーペットは、つま先がひっかかりやすいので気をつける必要があります。

■玄関や廊下などの固定されていない小さい敷物

玄関マットやバスマットなどの小さな敷物は簡単にずれてしまうため転倒の原因になります。滑り止めがついているからといって安心は出来ません。

他にも、戸棚の高い場所に物がある、廊下が暗く床が見えづらいなども転倒の原因となります。

3. 転倒を防ぐ為には

では転倒を防ぐためにどのようなことに気をつければよいでしょうか。すぐにできる転倒防止方法について具体的にご説明していきます。

1)転倒しづらい環境をつくる

■ 整理整頓を行う

居間には雑誌や電源コード、座布団など転倒の原因になるものが沢山あります。電気コードは壁に沿わせる、カーペットはめくれないように固定しておく、床に物を置かないようにするなど、普段から整理整頓を心がけるようにしましょう。

■ スリッパや靴下に気をつける

スリッパは滑りやすく、簡単に脱げてしまう為転倒の危険性が高まります。同様に靴下も滑りやすくなる原因です。スリッパは履かないようにし、靴下を履く場合は滑り止めのついた靴下を履くようにしましょう。最近は、転倒防止用の靴下も販売されているので一度試してみるのも良いでしょう。

■ 床を転倒しづらくする

床の小さな凹みや、カーペットの飛び出た繊維なども転倒の原因になります。フローリングや畳は滑りやすいため、マットに変えると良いでしょう。組み合わせて床に敷けるマットだと、大きな工事も必要ありませんし、簡単に床を変えることができるのでおススメです。

■ 高いところに物を置かない

台を使ったり背伸びをしないと届かない場所に普段使うものを置かないようにしましょう。無理な姿勢でバランスを崩し、転倒するリスクが高まります。

■ 必要に応じて手すりをつける

どんな場所でも転倒する可能性があります。よろけてしまったとき、つかむことができる手すりがあると安心です。また、狭い場所をスムーズに通る際も手すりがあるとより良いでしょう。

介護保険でバリアフリーに?

高齢者が安全に自宅で暮らせるよう住環境を整備する際に、介護保険を使うこともできます。
例えば、転倒防止用品の貸し出しや、転倒を防ぐための自宅改修の経費補助などがあります。対象者や対象となる工事など、詳しい内容はお住いの市区町村の窓口まで問い合わせてみましょう。

2)転ばない身体をつくる

転倒を予防するために「転ばない身体」をつくることも大切です。身体を動かさない状態を続けると、筋力はどんどん衰え、関節が動かしにくくなってしまいます。その結果、転倒しやすくなるのです。

イスに座っての足上げ体操やラジオ体操、ストレッチなどコツコツ楽しく続けられる運動が良いでしょう。どのような運動をすればいいかわからないという方は、リハビリや運動療法を行っている訪問リハビリや訪問医療マッサージのサービスを利用してみても良いでしょう。

また普段から「すり足」にならない足を上げて歩くようにする、急いで行動することをなくすなど意識することも重要です。

5. まとめ

■ 高齢になると筋力、視力、バランス感覚が低下するため転倒リスクが高まる
■ 家の中の「つまずきやすい場所」を減らすことで転倒を防ぐことができる。
■ なるべく身体を動かし「転ばない身体作り」を行う。

いかがでしたか?自宅内には転倒の危険が沢山潜んでいます。まずは、つまずきそうな場所はないか確認し気をつけることが大切です。
段差を減らすことが出来ない場合目立つようにカラーテープを貼り、気をつけるようにするだけでも転倒を防ぐ効果はあります。

歳を重ねても住み慣れた家で快適に過ごせるよう工夫し、転倒を減らしましょう!

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