これから暖かくなるにつれ、新しく運動を始めようと考えていらっしゃる方も多いと思います。
では、高齢の方は運動をするときにどのような点に気をつけたらよいのでしょうか。
今回は高齢者が安全に運動するために気を付けてほしい運動時の注意点についてご説明します。

1. 運動する前の注意点

まず、運動を始める前に注意していただきたいポイントをご紹介します。特に、これから運動を始めようと考えていらっしゃる方は是非参考にしてください。

■　身体能力に合っているか

どんな運動をする場合でも、自分の身体能力に適しているのかを考える必要があります。
運動で得られるメリットはたくさんありますが、自分の身体能力以上のことをしようとすると、怪我のリスクも高まり、メリットもデメリットと化してしまいます。
例えば、歩行機能が弱い方の場合は、歩く運動から始めるのではなく、座った状態でできる運動から始めるのがよいでしょう。

■　運動の計画を立てる

特に今まで運動する機会がなく、これから運動を始めようと考えている方は、無計画に運動しても怪我をする危険性が高まってしまいます。まずは、運動の計画をきちんと立てましょう。
その際のポイントは、「運動の量（時間・距離）」「休憩のタイミング」などがあります。
例えば、近所をジョギングする際も無理のない距離かどうか、休憩ポイントはどこか、人気のある場所かどうかなどもきちんと検討してから行うとよいでしょう。
また、何らかの持病をお持ちの方や、病気にかかっている場合などは、必ず運動前に運動を行ってもよいか担当医に確認をしてください。

■　体調チェック

いざ運動を始める前には必ず体調の確認を行いましょう。熱がないかどうかなどはもちろんのこと、高齢者の場合は「血圧の高さ」と「脈拍」が重要な確認ポイントです。

血圧については高齢者に限らず、運動をしてはいけない絶対除外基準というものがあり、最高血圧が180mmHg以上、最低血圧が110mmHg以上のときは絶対に運動をしてはいけません。このときに運動すると、以下のような症状を引き起こす危険性があります。

• 心臓病
• 脳卒中
• 動脈硬化

また脈拍については、安静時の脈拍が110拍/分以上もしくは50拍/分以下の場合には運動をしないほうがよいでしょう。

2. 運動中の注意点

「体調チェックも行ったし、いざ運動！」というように、運動前に体調に問題がなくとも、運動中に体調に変化が表れる場合があります。ここでは、運動中の注意点について説明していきます。

■　体調が悪くなった場合はすぐに中断

運動中の体調変化にも十分に注意しましょう。もし、家族や友人など、高齢の方と一緒に運動をする場合には相手の体調も観察してあげるとよいでしょう。
運動中の体調のチェック方法は「顔色や汗の掻き方」、「肩の上下の動き」に注目して観察しましょう。
顔色が悪い、汗の掻き方が尋常でない、肩が上下に動いている場合は、どこか関節などを痛めていていたり、息苦しかったり、運動が身体能力を上回っていたりする場合があります。

■　休憩をしっかりとる

休憩はこまめにとりましょう。
自分が辛いと感じていなくても、身体は悲鳴を上げる寸前かもしれません。痛んでから休むのではなく、痛む前に適度に休憩をとりましょう。
また、休憩の際には必ず十分な水分補給を行ってください。十分な水分補給を行うことで、熱中症や脱水症状を予防することができます。

3. 運動後の注意点

運動を継続的に続けるために、運動後も体調の変化がないかどうか確認を行いましょう。数日経っても違和感や痛みが消えない場合は、必ず医師の診察を受けてください。

若い方でもよくある筋肉痛になってしまった場合には、入浴やマッサージをして血行を良くしましょう。数日が経っても痛みが消えない場合は、運動量が多い可能性があります。行った運動が自分の身体に合っていない可能性があるので、運動量の見直しを行いましょう。

4. まとめ

• 運動する際には自分の身体能力に合っているかどうか運動の計画をしっかりと立てる
• 運動前には体調の確認を必ず行う
• 運動中は、十分な休憩と水分補給を行い、体調に異常があった場合はただちに運動を中止する
• 運動後も体調の変化がないかどうか必ず確認を行う

今回は運動前、運動中、運動後のそれぞれの注意点についてご説明しました。運動は高齢の方にとって、身体能力の低下を防ぎ、様々な面で良い影響を与えてくれます。運動する際には今回ご紹介した注意点をしっかりと守り、安全に楽しく運動を行ってくださいね。

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