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家族が知っておくべき介護知識

親が認知症になってしまったらどうすればいいの? 認知症の方との接し方と家庭での予防方法

認知症介護の悩み dementia_problem

親が認知症になってしまったらどうしよう、既に認知症の家族がいるけど接し方が分からないという人は多いのではないでしょうか。人間が年をとると認知症の症状がどうしても出てきてしまうものです。ここでは認知症の方との接し方についてご紹介します。

1.接し方の基本

・怒らないこと

認知症の方と接するときにまず基本となることは怒らないことです。認知症の方が何かを失敗したり、言ったことを守ってくれなかったりしたときにどうしてもイライラしてしまいます。しかし、そのようなときでも注意するもしくは怒って接することはあまり効果的ではありません。認知症の方はその人なりに努力して成功させようとしているのです。失敗したことで一番ショックを受けているのは本人なのです。そんな状態の方を叱りつけるのは認知症の進行を進める原因になっているとも言われています。

また重度の認知症の方であれば、あなたが怒っているときには既に失敗したことを既に忘れてしまっているかも知れません。そんな状態ではあなたは自分がやってもいないことで理不尽に怒ってくる人としか思われません。やがて自分が怒られたことも忘れるでしょうが、あなたに対する不快な気分だけは残り関係が悪化していく原因となっていきます。

・否定をしないこと

続いて大事になるのは否定をしないことです。認知症の方が言っていることが理解できず、否定してしまいがちです。しかし、認知症になったら何も考えられなくなったり、本人でも理解できない行動を取ったりするわけではありません。記憶力や認識能力、判断能力が衰えたことで健常者からすると理解できない行動を取っているように見えるかもしれませんが、少なくとも本人は合理的な行動を取っているつもりなのです。

人間は自分の意見を無視する相手の言葉に耳を傾けようとはしません。それは認知症になっても同じです。認知症の方と接するときはその人の考えを否定せず、同調してあげましょう。

2.認知症の方がよくする行動と対策(症状)

・本人がしたことを覚えていない

認知症になってしまうと直前の行動を忘れてしまうのは仕方がないことです。本人が部屋を散らかしたのにしていないと言ったりすると、掃除をする家族はどうしても怒りたくなってしまうものです。しかし、本人がしたことを覚えていないので注意をしてもあまり効果はありません。根気強く片付けることを習慣づけてあげると自分でするようになることもあります(もし上手く出来たときは褒める、感謝することを忘れないでください)。

どうしても認めさせようと音声レコーダーで会話を録音する、ビデオで撮影するといったことをする人もいますが、例え動かぬ証拠があったとしても本人は認めないでしょう。自分が認知症で出来ないことがどんどん増えているということは誰も認めたくないのです。

・物を盗まれたと思い込む

持ち物が見つからなかったときに周囲の人間を盗んだ犯人だと思い込むことがあります。犯人扱いされた側はイライラしたりショックを受けたりするものですが、否定するのではなく例えば「◯◯がないと困りますね、一緒に探しますね」と答えるなど認知症の方の気持ちが落ち着くようにしてあげましょう。落ち着かせてあげると見つからなかったことや、犯人扱いしたことも時間とともに忘れてしまうことも多いです。

・幻覚に襲われる

認知症の方が幽霊を見る、誰かに監視されているといった不安感を感じることがあります。「誰もいないよ」と言葉で説得しても本人の意見を否定してしまっているので効果的ではありません。不安を感じないように「二人一緒なら大丈夫」といった言葉をかける、落ち着ける場所に移動するといったことをしてあげましょう。

・家から出ていこうとする

突然「帰りたい」と言ったり、他人の家にいるように「お邪魔しました」と言ったりして家から出ようとすることがあります。見守る家族としては出ていかれては困るので引き止める、場合によっては監禁まがいのことをしてしまうことがありますが、逆効果になりがちです。本人は居心地が悪くて「ここは自分の家ではない」と思っている可能性があると言われています。 家族の方も一緒に「そうだね、そろそろ帰ろうか」と付き添ってあげて下さい。しばらく一緒に散歩などをして気分を入れ替えてから家に行くと何事もなく帰ってくれることが多いです。

・他人と間違えられる

一緒にずっと暮らしていた家族でも、誰か別の人だと勘違いされてしまうことがあります。とてもショックなことなので否定したくなる気持ちはわかりますが、その場は別人を演じてしまうほうがいいこともあります。その後時間を空けて「◯◯だけど調子はどう?」と言った感じに自然と自分が誰かを認識してもらいましょう。泥棒だと勘違いされたときも同様の方法で対処できる場合がありますので試してみるのもいいでしょう。

 

・ものを集める

認知症になると汚いものも含めて色々なものを集めることがあります。家族から見ればゴミかもしれませんが、本人にとっては意味のあるものを集めているのです。集めるのをやめるように言ったり、本人の見ている前で捨てたりするようなことはやめておきましょう。本人のいないところで捨てるようにしましょう。

3.家庭でもできる認知症対策(予防・改善)

認知症は薬やリハビリによって進行を遅らせることが出来ます。家庭でもできる認知症対策を紹介します。

・昔を思い出してもらう

認知症の方は昔のことはよく覚えているものです。その中でも、その方がよく活躍されている話や、楽しかった話を聞いてあげましょう。その際には記憶が蘇る助けになるもの(写真・制服・音楽など)を用意しておくとより良いです。当時の気持ちを思い出して活気が出てイキイキしてきます。脳が活性化することで認知症を抑えることが出来ます。

・音楽を聴く、演奏する

音楽を聞くことは精神的にいい影響を与える他、脳に刺激を与えることで認知症の対策になります。聴くだけでなく自分で歌う、演奏をすることでより良い刺激となって認知症に効果的だと言われています。

・絵を描く、ものを作る

絵を描くことや簡単な工作(粘土細工や折り紙)・料理を行うことも脳の活性化に有効です。

・計算、読み書き、脳トレ

無理なく出来る計算、読み書き、脳トレといったのも認知症対策に効果的です。脳トレの場合にもし脳の活性化する部分が分かる問題の場合、特に前頭前野が活性化する問題を行うと効果的です。

4.まとめ

  • 認知症の方に怒ってもいいことはない
  • 認知症の方の意見は否定しないようにする
  • 認知症対策をすれば進行を遅らせられる

認知症は介護を行う上で避けては通れない病気の一つです。ご家族が認知症になってすぐはどうしていいか戸惑うことも多いでしょう。ここで書いたことが介護する側・される側ともに穏やかな生活を送るための手助けになればと思います。

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