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家族が知っておくべき介護知識

水分補給が大切!高齢者に多い脱水症。脱水症チェック方法と予防法


身体の水分が不足し、日常生活に支障をきたす症状がでる「脱水症」。夏の暑い日や激しい運動をして汗を沢山かいたときに起こると思われがちですが、実は屋内にいることの多い高齢者も脱水症に陥りやすいことをご存知でしょうか?今回は高齢者の脱水症についてご紹介いたします。

1. 高齢者が脱水症状に陥りやすい理由

高齢者が脱水症に陥りやすいのには、以下の理由があります。

1)筋肉量の低下

実は筋肉は水分を貯蓄する役割を果たしています。歳を重ねるにつれ、筋肉量がどんどん減ることで、体内に貯蓄できる水分量も減っていきます。その為、高齢者はいつもより少し多く汗をかくだけで脱水症に陥る可能性があるのです。

2)のどが渇きに気がつきにくい

加齢に伴い、「口渇中枢」と呼ばれる喉の渇きを感じる機能が低下してしまいます。その為、喉が渇いている状態になっても「喉が渇いている」ということに気がつかず、水分補給が遅れてしまうのです。

3)食事摂取量の低下

人間は飲み物だけでなく、食事からも1日に約1,000mlの水分を摂取しています。高齢になると食欲が減るため、食べ物からが水分摂取量も減ってしまいます。食欲減退だけでなく、嚥下(食べ物を飲み込む)機能も低下する為、ますます食事摂取量が減り水分不足に陥ってしまうのです。

4)水分摂取を嫌がる

高齢になると、腎臓や膀胱の機能が低下しトイレが近くなります。これは身体の衰えと共に起こる自然な老化現象です。しかし何度もトイレに行くのが嫌、失禁が心配、介護者の手を煩わせたくないといった理由で、喉の渇きを感じていても水分摂取をしない方がいらっしゃいます。中には夕方からは水分を口にしない方もいるそうです。

脱水症になるのは暑い夏だけでない?!

汗を沢山かく夏にしか脱水症にならないのでは?と思われがちですが、冬も脱水症になりやすいといわれています。
冬は外気の乾燥により、水分が奪われていきます。汗のように目に見えず、皮膚や粘膜から水分が奪われていく為知らないうちに水分不足に陥ってしまうのです。また、冬になるとウイルス性胃腸炎のような感染症が流行します。嘔吐や下痢で水分が失われ、脱水症に陥りやすくなります。
夏と同じくらい脱水になる危険が潜んでいるにも関わらず、冬になると脱水への危機感が薄れ水分補給を怠ってしまいます。夏だけでなく冬もこまめな水分補給を意識することが大切です。

2. 脱水のサイン

本人が脱水症に気がつかず、知らないうちに症状が悪化してしまうことがあります。脱水のサインを見逃さないようチェックしてみましょう!


    ■ 口の中や唇が乾燥している
    ■ 脇の下など、皮膚が乾燥している(脇の下は湿っている状態が正常です。)
    ■ 手の甲の皮膚をひっぱって離したとき、すぐに戻らずしわができたままになる
    ■ 平熱と比較したとき、少し熱っぽい。(微熱がある)
    ■ なんとなく元気がなく、眠そうにしている

高齢者の脱水症状は、風邪の初期症状に似ていますが症状が悪化すると意識障害(せん妄)に陥ります。身体のサインに注意し、誤った判断をしないようにしましょう。

3. 脱水に陥ってしまったら(手当て)

脱水症に陥ってしまったら、すぐに経口補水液を飲むようにしましょう。経口補水液とは、食塩とブドウ糖を溶かした水で、脱水時に不足するナトリウムなどの電解質と糖分を補給することができる飲み物です。

水やお茶には塩分が含まれていない為、低ナトリウム血症に陥り意識障害を起こす危険性があります。いざというときのために、経口補水液を5~6本程度用意しておきましょう。
また、食事でのむせがある方は飲み込みやすいゼリータイプの経口補水液を使うと良いでしょう。10~20分程度で症状が治まれば、ひとまず安心です。

脱水症により胃腸の動きが鈍くなってしまうと、吐き気をひどく感じ水分を飲んでも吐いてしまいます。この場合は、口からの水分補給はせず、病院で点滴の処置をしてもらいましょう。
水分を補給しても、意識が朦朧としているなど回復が見られない場合はすぐに病院にて診察を受けるようにしましょう。

4. 脱水症の予防

脱水症を予防する為、普段から意識すること、また水分を摂りたがらない場合はどうすれば良いのかをご紹介いたします。

1)食事での水分量を増やす

3食必ず汁物を食べるようにする、おやつにゼリーや果物を出すなど食事での水分量を増やす工夫をすることが必要です。水分量の多い野菜を入れた食事にすることも一つです。
また、嚥下機能が低下している方は、汁物にとろみをつけるようにしましょう。最近では、温かいものだけでなく冷たいものにも、とろみをつけることができるので、一度試してみると良いでしょう。

2)お茶の時間を設ける

食事以外に定期的に水分を摂取できるようお茶の時間を設けましょう。習慣にすることで、のどの渇きを感じていなくても水分を定期的に摂取することができます。また、お茶の時間はコミュニケーションをとる時間としても有効なので、楽しみながら水分を摂取することができます。

3)好きな飲み物を出す

水分が必要だからお水を飲んでほしいと頼んでも、嫌がることがあります。緑茶はいやだけど、紅茶なら飲むといった、好きな飲み物なら飲んでくれる方も少なくはありません。なぜ飲んでくれないかを考え工夫することが大切です。

4)いつでも飲める場所に飲み物を常備しておく

水分を摂るように言われると、頑なに飲むことを嫌がる方がいらっしゃいます。そんなときは、いつでも飲めるよう近くに飲み物を置いておくようにしましょう。誰もいなくなったときにこっそり飲んでくれるかもしれません。

5)寝る前にコップ半分~1杯の水を飲むようにする

高齢者でなくても、寝る前は水分を控える方が多いのではないでしょうか?しかし、寝ている間も最低でもコップ1杯分の汗をかいているといわれています。寝ている間は水分を摂ることはできません。冷たい水より常温の水を、寝る前にコップに半分~1杯飲むようにしましょう。

5. まとめ

■ 高齢になると水分摂取量が減ってしまうので脱水症に陥りやすい。
■ 脱水のサインを家族が見逃さないようにする
■ 脱水症状がでたら、まずは経口補水液で水分補給をする
■ 脱水にならないよう普段からこまめな水分補給を意識する

高齢者の脱水は様々な病気を引き起こす可能性があります。水分が不足することで、血液がドロドロの状態になり心筋梗塞や脳梗塞のリスクも高くなります。本人が「喉が渇いていない」と言っているから大丈夫と安心せず、こまめに水分を補給するよう促しましょう。

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