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家族が知っておくべき介護知識

高齢者向けの頭の体操。楽しく脳トレを行なおう!認知症予防の脳トレと認知症の進行を予防する脳トレのご紹介。

皆さん一度は「脳トレは認知症予防によい」と聞いたことがあるのではないでしょうか。高齢者の認知症予防のために、今盛んに取り組まれているのが、脳トレです。
脳トレは普段使わない脳の部分を刺激することで脳を活性化することができます。

今回は認知症予防と認知症の進行を予防する2つの観点から、それぞれにあった脳トレをご紹介していきます。

1. 脳の機能と認知症

脳には記憶する、時間や場所を認識する、計算や読み書きをする、言葉を話す、出来事を理解するといったような機能があり、これらを「認知機能」と呼びます。
この認知機能は、生まれてから20歳ぐらいまでは発達しますが、20歳を超えると止まってしまいます。そして、発達が止まった脳は、年を重ねるにつれ徐々に萎縮していき、この認知機能も低下していきます。
また、脳が働くためにはたくさんのエネルギーが必要です。そのため、脳が働いている時は糖や酸素を含んだたくさんの血液が流れています。

では、脳を働かさないとどうなるでしょうか。

もちろん、脳の血流が悪くなり、糖や酸素が運ばれず、認知機能も低下してしまいます。 認知機能の低下は認知症につながる恐れがあるため、認知機能の低下を予防することが、認知症の予防につながると言えるでしょう。

2. 認知症予防の脳トレ

認知症は高齢者の病気だと思っている方も多いのではないでしょうか。
実は40歳以上の方でも自覚症状がないだけで、脳の委縮や認知機能の低下は起こっています。そのため、高齢になってからではなく、早くから脳を働かせるよう意識しながら生活しましょう。

ここでは、認知症を予防するための脳トレをいくつかご紹介します。

● パズル

どのようなものでも構いませんが、1回行っただけでは効果は期待できません。続けて行うことが重要になります。ご自身の年齢にあったパズルを選びましょう。
また、数字のパズル(数独)も効果があるとされています。

● 計算

認知機能の1つである計算するという機能に効果があります。
年齢に合わせて、高齢者なら簡単な足し算・引き算を行い、若い方なら高度な計算に時間制限を設けてやってみても面白いと思います。
また、わざわざ問題集を買ったりしなくても、日頃買い物をするときに、合計金額がいくらになるか、おつりがいくらになるのか頭の中で計算するのも効果があります。

● 囲碁・将棋・オセロ

これらのゲームは相手の手のうちを読んだり、自分の一手先の手を考慮したりするゲームです。そのため、高度な認知能力が必要になるため、脳に刺激を与えます。

3. 認知症の進行を予防する脳トレ

認知症改善の脳トレには1人でできるものや、複数人でやるものがあります。
1人でやってみて、良い効果が表れない場合は、ご家族や施設の職員の方と一緒に複数人でやってみましょう。

ここでは、認知症の悪化を予防するための脳トレをいくつかご紹介します。

● 簡単な読み書き

絵本などを声に出して読んだり、好きな言葉を紙に書いたりしましょう。絵本は、挿絵があって大きな文字の本を選ぶと、認知症の方でも読みやすいです。
また、紙に書く文字は何でも構いませんので、何かの文章を写してもよいですし、連想ゲームにしてみても面白いでしょう。

● 塗り絵・折り紙

塗り絵はどこに何色を塗るか考えながら行うことで、脳に刺激を与えます。
また、手先を使う折り紙や粘土工作なども、手を使うことによる脳への刺激と、どんなものにしようか、どんな形になるのか想像し、考えることによる脳への刺激により、脳の活性化が期待できます。

● 音楽を聴く・歌う

音楽を聴いたり、歌を歌ったりすることは、脳への刺激になると同時に、リラックス効果も期待できます
また、音楽に合わせて、手をたたく、体を動かすなどのリズム体操にしてみても面白いでしょう。

4. 楽しくなければ意味がない?!

誰でも嫌なことをやらなければいけないときは、気分が優れませんよね。脳トレも同じです。
認知症の予防ばかりに目がいってしまい、高齢者に無理を強いてしまっては、効果が期待できません。しかしながら、高齢者や認知症の方は、なかなか自分から思ったことを言わない方もいらっしゃいます。

そのようなときはどうしたらよいでしょうか。

そのような場合には高齢者の方の表情をよく見てみましょう。「したくない」「飽きた」「面倒だ」などと思っている時は、表情に出ている場合が多いです。
その他には、食欲の低下や、いらだちやすくなるなどといった症状が見受けられる場合がありますので、注意してみましょう。

脳トレは脳の活性化を促し、認知症の予防のみならず、生活の質(QOL)の向上も期待できますので、高齢者の方に合わせた、楽しんで長く続けられるものを選びましょう。

5. まとめ

  • 脳の1機能である認知機能の低下を予防することが、認知症の予防につながる。
  • 認知症予防のための脳トレにはパズルや計算、囲碁・将棋・オセロなどがある。
  • 認知症の悪化を予防するための脳トレには読み書きや塗り絵・折り紙、音楽を聴く・歌うなどがある。
  • 脳トレは個人にあった、楽しく長く続けられるものを選ぶ。

最近では、インターネットから脳トレの素材がダウンロードできます。また、専用の本なども出版されており、様々な脳トレがあります。
今回はごく一部の脳トレをご紹介しましたが、ご自身やご家族の方に合った脳トレを選んで、早くから認知症の予防に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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