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家族が知っておくべき介護知識

出血しやすい高齢者。いざという時のために、出血を止める応急処置を覚えておきましょう。

出血の処置

一般的に人間の血液量は体重の13分の1といわれており、およそ8%が血液なのです。このうち3分の1を出血などで失ってしまうと、生命の危機に陥ります。特に高齢者は出血しやすいといわれています。
今回は、出血の種類と出血したときにどのような処置をすれば良いのかをご紹介いたします。

1.高齢者の出血

高齢になると、手や足の血管やその周りの皮下組織がもろくなってくるため、高齢者は出血しやすいといわれています。少しぶつけただけでも血管が破れ、青あざになってしまいます。また、血を固まりにくくする薬(ワーファリン)を服用している場合、出血すると血が止まりにくくなるため注意が必要です。
青あざが大きく痛みを伴う場合や出血が止まらない場合はかかりつけ医に診てもらいましょう。

高齢者は皮膚が弱くなるため、些細な摩擦によって「スキンテア」を起こしやすい状態にあります。スキンテアとは、弱くなった高齢者の皮膚が裂けてできた創傷のことを指します。例えば「絆創膏をはがす時に一緒に皮膚もはがれてしまった」「ベッドの柵にぶつけて皮膚がはがれた」といったケースがあります。日常の些細な摩擦で創傷ができてしまうので、日ごろから気をつけることはもちろん創傷ができてしまった後の処置が重要と言えます。

2.出血の種類

ひと口に出血と言っても、出血の仕方や出血する血管によって呼び名が異なります。
体の表面から外に出血することを、外出血と呼びます。外傷などで皮膚組織と一緒に血管が傷つくことで出血します。これに対し、外出血以外の出血の総称のことを内出血と呼びます。表面的な出血はありませんが、打撲などで皮下の血管が破損し、組織の中に血液が入り込むために赤黒く見えます。見た目で確認できる内出血以外に、血液や血管の異常や疾患によって引き起こされる内出血もあります。例えば、日本人の三大死因の一つといわれている脳出血もそのうちの一つであり、命の危険を及ぼす内出血と言えます。

また、人の体には3種類の血管があり、それぞれの血管から出血した場合の呼び名や特徴は次の通りです。

1) 動脈性出血

動脈からの出血は、酸素や栄養を多く含んでいるため鮮血であるのが特徴です。
動脈は、心臓から送り出される血液を運んでいるので、動脈を切ってしまった場合は血液が勢いよく噴き出し、時に大出血になる可能性があります。特に頸動脈などの太い動脈から出血してしまうと、出血性ショックを起こしてしまい、死に至る可能性があります。

2) 静脈性出血

静脈からの出血は、二酸化炭素などの老廃物を多く含んでいるため、くすんだ暗い赤色をしているのが特徴です。
出血の勢いは動脈ほどではなく、ジワジワと出血しますが、太い静脈からの出血が長時間に及ぶ場合は出血性ショックを引き起こす可能性は十分にあります。

3) 毛細血管性出血

毛細血管は、皮膚の下に網目のように張り巡らされている極めて細かい血管です。
転んだ時にできる擦り傷や指先などを切ってしまった等に、にじみ出るような出血です。血液の色は動脈血と静脈血の間の少しくすんだ赤色で、そのままにしておいても自然に止血します。

3.出血したときの処置

出血したときは、どのような出血に対しても基本的には圧迫止血法を行います。
圧迫止血法には、直接圧迫止血法と間接圧迫止血法の2つがあり、最終手段として止血帯法があります。また、傷口は心臓よりも高い位置で保持できるようにしましょう。
心臓よりも高い位置にすることで、血液の流れが悪くなるので、これだけでも止血効果があります。

1) 直接圧迫止血法

最も基本的な止血方法であり、確実に止血効果が得られます。
清潔なハンカチやガーゼ、布などで傷口を押さえ、強く圧迫する方法です。この際、素手で傷口に触れてしまうと傷口から感染してしまう恐れがあるため、ビニール袋で手を覆うなど、注意しながら行ってください。
なお、上記で紹介しました「スキンテア」の止血方法は、めくれた皮をなるべく元の位置に戻して直接圧迫止血法で行うのが良いとされています。

2) 間接圧迫止血法

ハンカチやガーゼなどを準備するまでの間や、傷口にトゲやガラスの破片などがあり直接圧迫止血法が難しい場合は、間接圧迫止血法を行います。止血方法は、水道のホースを踏むと水が止まる原理と同じで、患部より心臓に近い位置の動脈を指で押さえることで、血液の流れを止めます。

3) 止血帯法

手足から大量出血、患部が切断、及びそれに近い状態の時に用いるのが止血帯法です。最終手段の止血方法であり、神経を切断したり、末梢神経を壊死させたりする危険性があるため、決して安易に行わないでください。
出血方法は、出血している部分から数センチほど健康な皮膚を残して、5センチほどの止血帯(布など)を巻き、縛ります。さらに、布と皮膚の間に棒などを入れ、回転させることにより止血効果を高めます。
止血開始時間をしっかりと記録し、1時間以上緊縛した状態になると、筋肉などの細胞が壊死してしまう可能性があるため、30~60分に1回は緩めます。緊縛部より先に赤みが指す程度に血流を再開させます。

4.まとめ

  • 高齢者は、血管や皮下組織がもろくなるため、出血しやすい
  • 出血には外出血と内出血の2種類があり、出血する血管によって呼び名が変わる
  • どのような出血でも基本的には圧迫止血法を用い、患部は心臓よりも高い位置で保持する
  • 出血したときの最も基本的な処置は直接圧迫止血法であるが、出血の状態によって間接圧迫止血法や止血帯法などがある

血が流れているのを見ると思わずパニックになってしまうという方は多いと思いますが、止血法をしっかりと身に付けていれば、冷静を保ちながら適切な処置が行えると思います。しかし、大量に出血している場合、止血は救急車が到着するまでの応急処置であるため、まずは119番に電話し、救急隊が少しでも早く駆けつけてくれるように心がけましょう。

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