自宅が危険?!増加し続ける高齢者の自宅での事故。(事故原因と特徴)
「一番好きな場所は?」「一番安らげる場所は?」と聞かれて、「自宅です。」と答える人も多いのではないでしょうか。安心してくつろげる自宅。何歳になってもやはり自宅で住み続けたいと考えている方も多いと思います。しかしながら、高齢者や子どもに関わらず、事故の発生率が最も高いのが実は自宅(在宅)なのです。今回は意外と多い、高齢者の自宅での事故について、事故の原因や特徴などをご紹介します。
1. なぜ起きるのか?(事故のきっかけ)
「なぜ自宅で?」と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。まず、高齢者の事故のきっかけを見ていきましょう。
■ 転落・転倒
高齢者の自宅での事故で最も多いのが転落、もしくは転倒による事故です。ごく普通に家の中を歩くことですら、高齢者にとっては、高いハードルとなります。
■ さわる・接触する
高齢者の方は判断能力が若い人よりも劣っており、触ると危ないものの判断がつきにくくなっています。 そのため、触っては危険なものに誤って触れてしまい、事故につながる場合があります。
2. どこで起こる?(自宅の危険な場所)
事故のきっかけが分かったら、実際にどのような場所で事故が発生しているのでしょうか。自宅の危険な場所をそれぞれ解説していきます。
■ 自分の部屋(居間)
「自分の部屋だから大丈夫」と安心している方も多いと思います。しかしながら、事故が起きる場所で最も多い場所は自分の部屋(居間)です。一日の中で長く居る部屋だからこそ、事故が起きる件数が最も多いのです。高齢者の場合、自宅の中を歩いているだけで転倒してしまうケースも多く見受けられます。部屋と廊下の間でつまずく、カーペットや座布団に足が引っ掛かる、家電製品の電源コードに足をとられるなど、若い方にとっては何ら問題ない場所でも、高齢者にとっては危険な場所となっています。
■ 階段
階段が原因で発生する事故も多い傾向にあります。階段での事故は上っている最中よりも、下っている最中の方が多く発生しています。
■ 風呂場
風呂場での入浴時の事故はすべって転んでしまう転倒の事故のほか、熱い湯に浸かってしまったり、触れてしまったりするやけどの事故が多く発生しています。また、入浴中の事故は、大きなものでは死亡事故につながる場合があり、注意が必要です。
3. 自宅での事故の特徴
自宅での事故の怪我の内容は多い順に、打撲・挫傷、切傷、骨折、やけどなどです。中でも骨折は20歳以上65歳未満の件数よりも高齢者の件数が2倍以上となっています。高齢者の場合、骨折してしまうと治療に長い期間を要しますので、転倒・転落による骨折には特に注意が必要です。また、死亡事故の原因で最も多いのはやけどによる事故です。特に、入浴時に熱いお湯に浸かってしまったり、着ている衣類に火がついてしまったりすることが主な原因となっています。
4. 自宅での事故を防ぐには
危険な場所や事故の特徴がわかったら、事前に事故を予防するためにはどうしたらよいでしょうか。事故への対策方法について具体的にご説明していきます。
■ 階段での事故
- 手すりや滑り止めをつける
- 荷物は絶対におかない
- 照明は十分な明るさにする
■床での事故
- 手すりや滑り止めをつける
- 段差を少なくするか、段差が分かるように照明を明るくする
- カーペットがめくれないように固定する
- スリッパや靴下は滑りにくいものを履く
■入浴時の事故
- 浴室と脱衣所の温度差を少なくする
- 床は滑りにくい素材にする
- お湯は熱くなりすぎないようにする
5. まとめ
- 自宅での事故のきっかけは、転落や転倒、危険なものにさわる・接触するなどが挙げられる。
- 自宅での事故が起きる場所は自分の部屋(居間)が最も多く、階段や風呂場でも事故が起きている。
- 自宅での事故を防ぐには、適切な場所に手すりや滑り止めをつけたり、照明の十分な明るさにしたりして対策する。
ずっと住み続けたい自宅。だからこそ、この機会に自宅のあらゆる場所を見直して、安心して暮らせるよう、事前に対策していきましょう。
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