カラオケが高齢者に大人気!歌う事は認知症予防、高血圧にも効果があり導入している介護施設も
カラオケは1970年ごろから広まりだしており、今の高齢者の多くはカラオケ経験者と言ってもよいでしょう。そんな高齢者世代が、カラオケ業界から熱い視線を送られています。また、カラオケで地域コミュニティの活性化、カラオケの健康効果も注目されています。今回は、高齢者とカラオケについてご紹介させていただきます。
1.カラオケ業界と高齢者
カラオケ業界の売上は、1996年をピークに右肩下がりを続けており、現在ではピーク時の半分程度になっています。2016年にあった大手カラオケ店の大量閉店のニュースも記憶に新しいところではないでしょうか?原因としては「趣味の多様化」や「飲み会などの後の利用の減少」などが言われています。そんなカラオケ業界が注目しているのが高齢者世代です。高齢者は、昼間に自由になる時間があるため「昼カラ」や、一人でも気軽にいける「一人カラオケ」などで積極的に取り込みを図っています。一人カラオケを示すのによく使われる「ヒトカラ」という言葉は、JOYSOUNDを展開する株式会社エクシングの登録商標です。
2.カラオケと地域コミュニティ
カラオケは、気心の知れた2,3人で、または1人でというイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、カラオケが好きな人が集まり一緒に歌うという「カラオケ喫茶」というのが高齢者の間で人気を集めています。スナックみたいなイメージでお店の中にステージがあり、そこで自分がスポットライトを浴びて歌ったり、他の人の歌を聴いて手拍子をしたりする内に、連帯感や仲間意識が芽生えるため、高齢者の社会的孤立の防止としても注目を集めています。
3.カラオケと健康
カラオケの健康効果として上げられているものとしては、認知症予防、高血圧の防止、誤嚥防止、口腔環境の正常化、ストレスの軽減などがあり、その効果の高さから介護施設がカラオケを導入している例もある程です。
- 認知症予防
- 高血圧の防止
- 誤嚥防止
- 口腔環境の正常化
- ストレスの軽減
歌を歌うと、その歌を聴いていた頃の古い記憶や、その時の思いや感情が脳を刺激するため認知症の予防効果があります。また、「次は何を歌おう」と考える事や「新しい歌を覚えよう」と記憶しようとすることも脳を刺激します。
歌う時はお腹から声を出す腹式呼吸になります。腹式呼吸とは胸郭と腹腔を隔てている横隔膜を上下させる呼吸法ですが、この上下によりポンプ効果が生まれ血流が良くなります。このポンプは、心臓の拍動・筋肉の伸縮によるポンプ作用とならぶ血液循環のポンプだと言われています。
歌う時は、口を大きく開けるため口周り・舌の筋肉を使います。その結果、食べ物を喉の奥に送り込む力が強化され誤嚥を防ぐことに繋がります。
唾液には口の中で洗浄・抗菌・保護・円滑化する作用があり、量が少ないと虫歯になりやすかったり、口内炎になりやすかったり、食べ物が上手く飲み込めなくなります。歌う時は、4~5分の間ずっと口を動かしているため、唾液がたくさん分泌されるので、口の中の環境を守る効果が期待できます。
カラオケで歌ってスッキリした感覚を味わった事がある人は多いと思います。大きな声を出して歌うと、脳から幸せホルモンと快楽ホルモンが分泌される事、腹式呼吸は自律神経を整えリラックスさせる効果があることからストレスが軽減されます。
4.まとめ
- 高齢者は昼間の時間を様々な余暇に使っており、カラオケ業界がその枠に注目している
- カラオケ好きな人が集まるカラオケ喫茶は高齢者の孤立防止にも役立っている
- カラオケには介護施設で導入されるほどの健康効果がある
楽しく歌うだけで、様々な効果が得られるカラオケ。世代を超えた交流にも活用されています。今週末あたり、おじいちゃん・おばあちゃんを誘ってカラオケなんていかがでしょうか?
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