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症状・傷病

顔や手足がむくんでいる。高齢者のむくみ(浮腫)の原因と予防方法

mukumi むくみ

長時間立ちっぱなしだったり、長時間のデスクワークだったりすると、靴が急にきつくなったり、足がパンパンになったという経験がある人も多いのではないでしょうか。若い方なら一度は経験したことがある「むくみ(浮腫み)」。むくみは医学的には浮腫(ふしゅ)といい、皮膚の上から指で押すとへこんでしばらく元に戻らないのが特徴です。若い方にもみられる症状ですが、高齢者にも非常に多く見られる症状で、高齢者の場合、なんらかの病気によって引き起こされることがあるため、注意が必要です。今回は、高齢者に多い浮腫(浮腫み)の原因とその予防方法をご紹介します。

1. なぜ起こるの?(浮腫の原因)

浮腫が起きる原因は様々ですが、特に高齢者に多い原因は大きく2つに分かれ、血液循環の障害による場合と病気の兆候による場合が挙げられます。ここでは2つの原因について詳しく解説していきます。

① 血液循環の障害による場合

体内に吸収された水分のうち不要な水分は、本来血液の流れにのって、リンパ管にもどっていきます。しかしながら、何らかの要因によって血液の循環が悪くなると、不要な水分が血管外の部分に溜まってしまい浮腫の症状が現れるのです。では、なぜ血液の循環が悪くなるのでしょうか。高齢者の血液循環が悪くなる要因は以下のようなことが考えられます。

加齢による心臓機能の低下

心臓機能が低下すると、全身に血液を送るのが弱くなってしまい、血液循環が悪くなってしまいます。

手足の冷え、筋力の低下(運動不足)

手足が冷えたり、運動不足などで手足の筋力が低下したりすると、手や足の先に溜まった血液を心臓に向かって押し戻すことができず、結果として血液の循環が悪くなります。

② 病気の兆候による場合

血液循環による浮腫は年をとる、すなわち加齢とともに、誰もがなりうる原因のため大きな病気にはならないですが、病気の一つの症状として浮腫ができている場合は注意が必要です。代表的な例をご紹介しますので、当てはまる場合はすぐに医療機関にて受診してください。

腎臓病

腎臓は血液から老廃物や塩分を尿として体外へ排出する役割を持っています。そのため、腎臓がうまく機能していないと、血液に老廃物がたまり、血液循環が悪くなり浮腫が発生する場合があります。また、老廃物や塩分の排出低下に加え、摂取する水分に対して排出する水分の量が極端に減少します。そうすると、体内に水分が多く残り、浮腫につながります。浮腫以外の症状としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 短期間での血圧上昇
  • 尿の異変(血尿、濁りなど)
  • 乏尿

また、腎臓病の中でも特に症状がでやすいのが慢性腎炎、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群などです。

心臓病

心臓は血液の循環を担っているため、心臓に異常がある場合は浮腫が発生しやすいです。心臓病の中でも特に症状がでやすいのが心不全、心筋梗塞、狭心症などです。これらの傷病の代表的な症状は以下のようなものが挙げられます。

  • 少し動いただけで息切れがする。
  • 動悸がずっと続く
  • 胸に違和感がある

2. 浮腫にならないために(浮腫の予防方法)

浮腫の原因が分かったところで、事前に予防できるのなら、予防しておきたいですよね。そんな方々のために、自宅でも簡単にできる予防方法をご説明していきます。

■心臓の機能を向上させる

心臓は血液を全身に送り出すための重要な役割を担っています。この機能を向上させるためには、ウォーキングなど、適度な運動が有効的です。高齢者の中でも外出できない方や寝たきりの方もいらっしゃると思います。そのような方は、椅子に座った状態や寝た状態で足を伸ばし、つま先を上下に動かしましょう。横になって行う場合の注意点として、溜まっていた水分が一気に上半身に戻ると、肺や心臓に負担をかけ、呼吸困難や心不全を起こす場合があります。そのような事態にならないよう、横になってから1時間後ぐらいに脈の状態を調べてください。脈の状態に異変がある場合は、急に横になるのはやめて、徐々に横になる体制をとっていきましょう。

■昼寝をする

むくみは夕方に特に発生しやすいですが、むくみの症状が出る前に昼寝をすることで、足の血液を心臓に戻し、血液循環をリセットするとむくみが発生しにくくなります。昼寝が難しい方でも、座って足を上げた状態をとるだけでも効果があるとされています。

■手足を冷えから守る

高齢者は若い方よりも平熱(基礎体温)が低くなっており、体が少し冷えただけでも、血行が悪くなり、むくみやすくなってしまいます。そのため、体を冷えから守り、手足を冷やさないようにするのは非常に有効です。室内や服装を調整して温かい環境を作りましょう。

■バランスのとれた食事

塩分をとりすぎると、水分が体から排出されず、体内に溜まってしまい、浮腫を引き起こしてしまう場合があります。塩分の取りすぎは高血圧などの病気にもなりやすくなってしまうため、バランスのとれた食事を心がけましょう。また、むくみの解消にはいも類、豆類、きのこ類、青魚などのカリウムを多く含んでいるものがお勧めです。

3. むくんでしまった(浮腫の解消方法)

もしもむくんでしまったら、まずは冷やさないようにし、マッサージをしていきましょう。お風呂に入りながらやるのが効果的ですが、入浴が困難な方は、足湯や蒸タオルなどで温めてから行うとよいでしょう。マッサージは足先から膝にかけて脛(すね)の部分をゆっくりと指圧します。その後、足の側面を優しくさすりましょう。最後に、柔らかいふくらはぎをほどよい力加減で揉み上げてください。

4. まとめ

  • むくみ(浮腫)の原因は大きく2つに分かれ、血液循環の障害と病気のサインの場合がある。
  • 適度な運動や、昼寝、バランスの良い食事をとることでむくみ(浮腫)を予防する。
  • むく(浮腫)が発生したら、体を温めてマッサージを行う。

むくみ(浮腫)は「少しむくんでいるけど大丈夫だろう」などと軽く考えがちですが、大きな病気のサインの可能性もあります。むくみがサインとなり、病気を早期発見することができる場合もありますので、日頃からむくみ(浮腫)が起きていないか小まめにチェックし、事前予防をしっかりと行って、快適な日常生活を送りましょう。

筆者 レイス治療院
あん摩マッサージ指圧師の国家資格を持つ施術師が400名以上在籍し、2003年より訪問マッサージを通じて地域社会に貢献している。
ご利用者様の健康を管理するために、技術面ではリハビリを取り入れたマッサージを行い、医療・介護業界での経験をもとにしたお悩み相談、医学的観点からアドバイスを行っている。

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