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家族が知っておくべき介護知識

高齢者(お年寄り)の食事について。食べやすい・食べにくい食品や不足しがちな栄養素とは?食事の注意点と対策。

健康な生活を維持するために、食事を意識している人も多いのではないでしょうか。 特に高齢になると、食べ物が偏ることで栄養も偏りがちになってしまうため、気を付けている人も多いと思います。 今回は高齢者の食事について、食べ物の特徴や不足しがちな栄養素、食事の注意点と対策についてご紹介します。

1. 高齢者の体の特徴

加齢に伴い、体の様々なところで変化が生じます。そこで、まずは食事という観点から、高齢者の体の特徴をみていきましょう。

■ 五感

視覚や嗅覚など様々な感覚が鈍くなると、食欲が低下します。特に味覚が衰えると、塩味や甘味の感覚が鈍くなり、濃い味付けの食事を好むようになってしまい、栄養のバランスが崩れやすくなります。

■ 飲み込む力

飲み込む力が弱くなるため、食べ物が喉を通りにくく、むせたり、つかえやすくなったりします。

■ 噛む力

加齢に伴い、歯を失ったり、噛む力が弱くなったりすると、柔らかいものばかり食べるようになり、偏食や栄養のバランスが偏り、便秘の原因になることがあります。

■ 唾液

唾液の分泌量が減り、口の中での消化がうまくいかなくなります。また、口の中が荒れやすくなり、食欲が低下してしまいます。

■ 胃腸

口の中での消化がうまくいかなくなると胃に負担がかかります。しかし、胃腸の消化吸収能力も低下するため、消化不良や下痢になりやすくなります。

2. 食べ物の特徴

高齢者には体の衰退により、食べやすい食品と食べにくい食品があります。ではどのようなものが食べやすく、どのようなものが食べにくいのでしょうか。具体的な食品を例にご紹介していきます。

■ 食べにくい食品

硬い野菜 :きゅうり、キャベツ
繊維が残りやすいもの :ふき、たけのこ、セロリ
スポンジ状 :がんも、はんぺん
酸味の強いもの :柑橘系、お酢が入った食べ物
弾力が強いもの :麺類、パン、こんにゃく
喉に詰まりやすいもの :もち、こんにゃく、きなこ、わかめ、のり

■ 食べやすい食品

おかゆ状 :おかゆ、パンがゆ
乳化物 :ヨーグルト、アイスクリーム
ネクター :果実をミキサーにかけたもの
ゼリー状 :ゼリー、水ようかん
プリン状 :プリン、ムース、茶碗蒸し、たまご豆腐
ミンチ状 :ハンバーグ、つくね、肉団子

3. 不足しがちな栄養素

高齢者には食べやすい食品と食べにくい食品があることをご説明しました。食べにくい食品があるということは、無論栄養素も偏り、必要な栄養素が不足してしまう場合があります。
ではどういった栄養素が不足してしまうのでしょうか。不足しがちな栄養素と、その栄養素が多く含まれる食品についてご説明していきます。

■ タンパク質

タンパク質は肉類や魚介類に多く含まれています。そのため、噛む力が弱くなった高齢者にはなかなか好まれない食品なので、タンパク質が不足しがちになります。
また、タンパク質を元に作られる物質に「アルブミン」という物質があり、これが減少してしまうと、筋肉の減少や血管がもろくなり、それによって脳卒中や免疫機能の低下が起こってしまいます。
⇒タンパク質が多く含まれる食品:豚肉、魚、卵、大豆

■ ビタミン

ビタミンには「水溶性ビタミン(ビタミンB、ビタミンC)」と「脂溶性ビタミン(ビタミンA、ビタミンDビタミンE)」があります。高齢者に不足しがちになるのは、このうちのビタミンDになります。
ビタミンDはカルシウムの調整に必要な物質で、骨を丈夫にさせる働きがあります。
また、神経伝達に必要な物質の一つとも考えられており、アルツハイマー病やうつ病と関係がある可能性があると考えられています。
⇒ビタミンDが多く含まれる食品:いわし、にしん、鮭、乳製品

■ ミネラル

ミネラルにはカルシウム、鉄分、亜鉛、ナトリウムなどがあり、これらは骨粗しょう症や貧血、免疫力の低下を防いでくれます。しかし、ナトリウムに関しては、摂取しすぎると生活習慣病や高血圧、脳卒中を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
また、ミネラルは、体内で作られないため、食事で意識をして摂取する必要があります。
⇒カルシウムが多く含まれる食品:乳製品、小魚、大豆、緑黄色野菜
⇒鉄分が多く含まれる食品:海藻類、貝類、レバー、緑黄色野菜
⇒亜鉛が多く含まれる食品:魚介類、肉類、米
⇒ナトリウムが多く含まれる食品:塩、しょうゆ

■ 食物繊維

食物繊維は噛む力が弱くなるとともに、食べるのが難しくなる食品に含まれています。そのため、高齢者は食物繊維が不足すると、便秘や心筋梗塞、糖尿病などの生活習慣病になってしまいます。
⇒食物繊維が多く含まれる食品:豆類、ごぼう、緑黄色野菜

4. 食事の注意点と対策

ここまでで、高齢者の食事について、食べ物の特徴や不足しがちな栄養素についてご説明してきましたが、食事をする上で、一番気をつけたいポイントはやはり栄養の偏りです。栄養が偏ると、様々な病気を引き起こす可能性があるので注意が必要です。
しかし、はじめに説明したとおり、高齢の方には、食べにくい食品もあります。そのような場合は、食べ物を食べやすくする工夫をしてみましょう。

<飲み込みやすくする工夫>

  • やわらかくなるまで煮込む。
  • なめらかになるように裏ごしする。
  • ミキサーにかける。
  • 片栗粉やゼラチンなどを利用し、飲みやすくする。

<噛みやすくする工夫>

  • 肉、野菜などは一口大の大きさに切る。
  • 肉が噛みにくい場合はたたいてやわらかくする。
  • 野菜は歯ぐきでつぶせるぐらいにやわらかく煮込む。
  • 野菜の皮はむく。
  • 根菜類は繊維を断ち切るように切る。

5. まとめ

  • 加齢に伴い、飲みこむ力や噛む力が弱くなり、食事に影響を与える。
  • 高齢者には食べにくい食品と食べやすい食品がある。
  • 高齢者が不足しがちな栄養素はタンパク質、ビタミンD、ミネラル、食物繊維である。
  • 栄養が偏らないように注意し、食べにくい食べ物は調理を工夫する。

食事は生命維持のための栄養摂取であると同時に、高齢者にとっては一日の楽しみの1つです。
食べにくい食品も工夫をして、栄養が偏らないように注意し、健康な体を維持していきましょう。

筆者 レイス治療院
あん摩マッサージ指圧師の国家資格を持つ施術師が400名以上在籍し、2003年より訪問マッサージを通じて地域社会に貢献している。
ご利用者様の健康を管理するために、技術面ではリハビリを取り入れたマッサージを行い、医療・介護業界での経験をもとにしたお悩み相談、医学的観点からアドバイスを行っている。

 

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